北朝鮮は一連の弾道ミサイル発射では、種類の違う複数の弾頭を装着したと主張。
また、通信インフラを破壊する「電磁パルス(EMP)」攻撃の準備に向けた発射実験を行ったことを示唆。
攻撃手段の多様化を誇示したが、専門家からは「信憑性は低い」と評価。
朝鮮人民軍総参謀部は7日の発表で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む6発の弾道ミサイルを発射した3日に、
「敵の作戦指揮体系をまひさせる特殊機能の弾頭部」の性能検証を行ったと主張。
上空で核弾頭を爆発させることで強力な電磁波を発生させ、
電子機器の使用を不能にするEMP攻撃を示唆したとみられる。
2日や5日に発射した弾道ミサイルについても、装着された弾頭の種類を詳細に説明。
1つの弾頭に複数の爆弾を搭載した散布弾や、高重量の弾頭を用いた地下貫通弾の運用に成功したと強調。
これに対し、韓国の複数の専門家は、主張通りの発射実験が行われた可能性は低いとみる。
21世紀軍事研究所のリュ・ソンヨプ報分析官は,
「実験内容が事実であれば、3日にはICBMが接近した日本などで電波障害が発生しているはずだ」と指摘。
新型ICBM「火星17」の発射実験に失敗したため、別の実験だったと主張して分析を混乱させる狙いがあるとみる。
北朝鮮は軍用機の航跡約180本が確認された4日についても,
「戦闘機500機を動員した」と主張するなど、韓国軍の分析との違いが目立った。
「国内外への宣伝用に数字が誇張された」との見方も出ている。
韓国は海の軍事境界線と位置づける北方限界線(NLL)の南側に2日着弾した、
北朝鮮の弾道ミサイルの残骸とみられる物体を回収したことも明らかにし、詳細の分析を進めている。