「規模で上回る艦隊が十中八九勝つ」
サム・タングレディ教授は米海軍協会の機関誌「Proceedings」1月号に寄稿。
歴史を教訓とするならば、米中が争うことになれば数で勝る中国が米軍を打ち負かすだろうと述べた。
元海軍大佐で、現在は米海軍大学校の教授を務めるタングレディ教授は、
紀元前500年のギリシャ・ペルシャ戦争から冷戦中の代理戦争や内政干渉に至るまで、28件の海上戦を調査。
その結果、実際に優れた技術力が数の優位性に勝った例はわずか3件だった。
「それ以外の戦いでは、いずれも勝利をもたらしたのは数の優位性だった。
軍事力が同等の場合は、優れた戦略または指揮官の力量だった」
「この3つはしばしば切っても切り離せない。一般的に、大規模な艦隊を運用すれば訓練の拡充が容易になるし、
時には上層部が戦略条件に心を砕いている指標にもなる」
米国防総省が2022年に発表した「中国軍事情勢報告書」によると、
中国人民解放軍海軍(PLAN)は20年前後に艦船数で米海軍を上回り、現在は約340隻を保有。
報告書によれば、この先2年間で400隻にまで増える見込みだ。
一方で米海軍の艦隊はというと、300隻未満。昨年夏に発表された22年度米海軍運営計画によると、
国防総省は45年までに有人艦を350隻にまで増やすことを目標に掲げているが、それでも中国には及ばない。
米国艦隊総軍司令官のダリル・コードル大将は先週、米国の国防産業は、
「我々が必要とする軍需品を納品できていない」と述べ、軍備品の拡大を求めた。
ワシントンで行われたシンポジウムでコードル大将は、
「勝利のためには極めて重要だ。私も軍需品なしでは手も足も出ない」と述べ、
米国は「これから相手にするのは、いまだかつて見たことのないような対戦国であり、仮想敵国なのだ」と続けた。
コードル大将の上官に当たるマイク・ギルデイ海軍作戦部長も先週行われたオンラインフォーラムで、
「米国海軍は、ミサイルの数でPLANに太刀打ちすることができないだろう」とギルデイ大将は発言。
太平洋での紛争で米国が直面するであろう数の問題を指摘。
米海軍がミサイルや艦隊の数で中国と肩を並べることができないのであれば、
果たしてどこに優位性を見出せるだろうかとタングレディ教授は首をかしげる。
‘@確かにタングレディ教授の述べることは基本的には的を得ている。
ただ、NATOがいることと、米軍が足りない分を日本が補完できるように軍備を増強していることが抜けている。
だから、ここに来て米は日本に軍備増強を急がせているのだ。
ただそうなると、攻めようとしている相手は戦闘態勢が整う前に実行しようとする。
それは、くしくもプーチンがウクライナに攻め入ったように。
仮に米国と中国が戦争になったら戦場はどこになるのか。
中国の米本土上陸は考えにくい。
米国の中国本土上陸も最初の内は無理だろう。
だとすれば主戦場は日本ということになる。
米軍は日本を盾に陸上自衛隊と共に中国と戦うことになる。
当然中国の当面の狙いは日本本土ということになり、日本はウクライナと同じような惨状になる。