「なんで総理執務室で話した内容がすぐに外に漏れるんだ!」
2022年12月、官邸内で岸田総理は怒りをあらわにしていた。
ロシアのウクライナ侵攻から1年。
G7の首脳らは、これまでに次々と戦地ウクライナを訪れ、世界に連帯を示してきた。
しかし、岸田総理はウクライナ訪問を実現できていない。
「『外交の岸田』をアピールし、日本として世界に連帯を表明するため、キーウを訪問できないか」
岸田総理は、夏の参議院選挙も意識しながら、そう思うようになっていった。
戦後、日本の総理大臣が戦地に赴いたことは1度もない。
訪問のチャンスをうかがう中、6月下旬までにフランス、ドイツ、イタリア3か国の首脳がキーウ訪問を計画しているという情報がもたらされた。
ドイツで行われるG7サミットに合わせた計画だという。
岸田総理もG7サミットのためヨーロッパを訪れる、そのタイミングなら行ける可能性がある。
「3か国の首脳と一緒に訪問するという案もあるのではないか」
政府内で、政府専用機を隣国ポーランドに着陸させる準備など具体的な検討が加速した。
だが、総理大臣の外国出張にはさまざまな手続きが必要となる。
国会開会中に総理大臣や閣僚が外国出張する場合、
衆参の議院運営委員会の理事会に事前に報告することになっている。
事前の調整も考えると、完全に秘密にしておくのは事実上不可能だ。
情報が漏れれば、同じく秘密裏に準備を進めている3首脳にも迷惑をかけることになりかねない。
その後も岸田総理のキーウ訪問に向けた模索は続いたが、徐々に下火となっていく。
秋の臨時国会の閉会日が近づいていた12月、年末のキーウ訪問の具体的な検討が始まった。
「国会への報告」を避けるためには、国会閉会中のこの期間を使うしかなかった。
ただ、同じ時期に、ウクライナへのロシアによるドローン攻撃が激化し始め、危険な状況になってきた。
そして、極秘打ち合わせの情報漏えいが重なった。
岸田総理はG7議長に就任。日本は国連安保理の非常任理事国にもなった。
ウクライナ訪問は総理の強い願望だ。
ただ、政府内では依然として訪問についての賛否や見通しは割れていた。
5月に予定されているG7広島サミットは、ウクライナへの支援が大きなテーマとなる。
それだけに、岸田総理はサミットの前になんとしてもキーウを訪問し、現状をみずから見て確かめた上で議論をリードしたい考えだ。
岸田総理はキーウに行くことが出来るのか。(NHK)
‘@各国首脳のウクライナ訪問はそんなに極秘ではない。
列車などでも移動している。
行きたいのなら、四の五の屁理屈付けずに行くべきだ。
行かない理由を探しているようにしか聞こえない。
他国の首脳が訪ウするなか、腹が据わっていない、みっともない話だ。
ロシアは国境付近に戦闘機を配備しているとの報道がある。
戦況が悪化すればさらに訪問は遠のく。