昨年末、米空軍の戦闘機1機が、17時間のテストフライトを終えた。
それを操縦していたのは、「人工知能(AI)」だった。
AIが戦闘機を17時間にわたり完全無人操縦したのは、世界初。
ロッキード・マーティン社とカルスパン社が共同で開発した「VISTA X-62A」。
VISTA X-62Aは、「F-16D Block 30 Peace Marble Il」をベースに「Block 40」の電子機器を組み込んだ機体。
VISTAのシステムは、自律型飛行アルゴリズムの開発と統合を主眼としたもの。
そこに搭載される代表的なシステムとして、カルスパン社が開発した「VISTAシミュレーションシステム(VSS)」
ロッキード・マーティン社の「モデル追従アルゴリズム(MFA)」や「シミュレーション自律制御システム(SACS)」などが挙げられる。
またコックピットの前方と後方には、最先端センサーとゲタック社製のタブレットディスプレイが搭載されている。
こうしたシステムのおかげで、VISTA X-62Aはただ機体性能が上がっただけでなく、
ソフトウェアの変更に対しても迅速かつ柔軟に対応することができるようになった。
それは開発のスピードアップや試験飛行回数の増加につながる。
「VISTAは、最先端の人工知能技術の開発と試験を、新しい無人機の設計と同時に進行させることができます」と、
米空軍テストパイロット学校のクリストファー・コッティング博士は話す。
つまりは新型機体を集中的に試験飛行しつつ、それを通じて無人機を操縦するAIまで鍛えられるという。
それは、米軍がい恐ろしい戦闘機を獲得するということだ。