NYダウ -574.98ドル。
それを受けた8日の日経平均終わり値は+135.03の28,444.19円で引けた。
強い日本株。
日銀総裁候補の植田和男氏が、融緩和を継続すると発言したことで円高圧力は和らいだ。
インフレ抑制を躍起に進める米欧の金融引き締めのあおりを受ける海外市場の動きと逆行。
日本株が世界の中でアウトパフォームしている。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は3月7日の議会で、今月の0.5ポイント利上げを示唆。
トレーダーは米金利のピークを5.6%と想定し、昨年末の5%から上振れと見ている。
米国債投資家はリセッション(景気後退)を想定した取引に走り、ドルは反発、NYダウは下落した。
ブラックロックやシュローダーなど投資家は米金利のピークが6%になった場合の影響について検討している。
シュローダーのオーストラリアの債券副責任者、ケリー・ウッド氏は「6%のターミナルレートは今や問題外ではない」と述べた。
米景気後退見通しで資源通貨は売られ、ドルは上昇。円は再び1ドル=140円に向かいつつある。
米連邦債務は議会が定める法定上限に達しているが、下院共和党は民主党およびホワイトハウスから譲歩を引き出すまでは上限引き上げに同意しない構えだ。
連邦政府が支払い不履行に陥れば、米金融システムにとって大きな衝撃となる。
パウエル議長は2月、債務上限についての「行動の遅れの結果から、金融当局が経済を守ることを期待するべきではない」とくぎを刺した。
パウエル氏が指摘したリスクの一つは、投資家が不安になり米国債入札が消化できなくなることだ。
「本物のリスクはいかなる価格でも市場にアクセスできなくなる、入札の失敗だ」とパウエル議長は当時述べていた。
共和党は債務上限引き上げの見返りに歳出削減をバイデン大統領に求めている。
今回の緊張を高めているのは、共和党のマッカーシー下院議長が、
妥協しないとを決意している共和党議員の強硬派グループに対して弱い影響力しか持たないことだ。
一方、バイデン大統領と民主党議員は31兆4000億ドルの債務上限の引き上げを拒む共和党が、
過激で不安定をもたらす勢力だということを国民に見せようとしている。
現時点では懸念の兆候は限定的だろう。
米国がデフォルトするリスクは10%未満とブルームバーグが調査したエコノミストらは考えている。
ジョージ・メイソン大学のコーエン教授は、これまでと同様今回も「大丈夫だろう」としている。
しかしながら、張り詰めたプロセスを繰り返すことは危険性を高めると同教授は警告。
「何回も実験を繰り返しているうちに、大丈夫でなくなる」と述べた。