私は今回の件は、相撲の横綱問題と似ていると感じる。
「反則ではないのだからいいだろう」
「横綱の品格?勝てば問題ない」‘@
巨人・原辰徳監督(62)の超仰天采配が飛び出した6日の阪神戦0―11惨敗。
甲子園で6日に行われた阪神―巨人戦で、8回に5番手の堀岡隼人(21)が7失点、
11点差をつけられスコアが0-11となると原監督はブルペンに残っていた4投手を温存し、
小松島高時代に投手経験のある野手の増田大輝(27)を登板させた。
試合放棄とまでは言わないが、事実上のギブアップ。
ブルペンには中川、大竹、鍵谷、大江の4投手が残っていたが、
原監督は、9回の攻撃を残すのみの「負けゲーム」に使うことを嫌い温存した。
6連戦のど真ん中。試合後、作戦のひとつと述べた。
増田はスピーディーなテンポで配球、13球のプロ初登板を終えた。
9回の巨人の攻撃も3人で終わりゲームセット。
この采配を巡って議論が巻き起こった。
巨人には、川上監督時代から継承されてきた、
「絶対にゲームセットの瞬間まで試合をあきらめてはいけない」という伝統的な教訓があり、
どんなに大差がついた試合でも、試合途中であきらめるようなプレーをした選手には、
厳罰を下されてきた。
元巨人軍の名投手堀内さんは「これはやっちゃいけない。」のタイトルでブログを更新。
「巨人軍はそんなチームじゃない。しかも今、首位に立ってるじゃないか。
強いチームがそんなことやっちゃダメよ。こんなことして相手のチームはどう思うだろうか。
馬鹿にされてるとは思わないだろうか」と原監督の采配を疑問視。
そして「増田がマウンドに立った瞬間俺はテレビを消した。
それ以上、観たくなかったからだ。この試合のコメントも今日はしたくない。
こんなこと絶対やっちゃいけないよ。俺はそう思う」と怒りが収まらなかった。
原監督のもとでヘッドコーチを務めた経験のある評論家の伊原春樹氏は、
「考えられない。私がベンチにいたら、原監督とケンカをしてでも絶対にやらせなかった。
これはダメ。調子に乗ってどうにかしちゃったとしか思えない。
巨人の伝統的な戦い方からはかけ離れている」と思わず絶句。
元巨人の上原浩治投手は、「何がダメなんでしょうか?」
上原氏は「内野手登録の選手が、外野を守ったら失礼になりますか??
外野手登録の選手が、内野を守ったら失礼になりますか?
限られた人数で、どう使うかは監督の判断だと思います」とコメント。
「きちんと投げれる野手をピッチャーに使うのは失礼にはならないと思うんですが…
だったら打てばいいだけの話かと」と皮肉った。
続けて「OBの方たちに喧嘩を売るわけではないですが、巨人だからやってはダメ??
他球団ならオッケー??そっちの方がおかしいと思いますが…」と私見を述べた。
大雑把に見ると、一般の人は、巨人ファンは容認、阪神フアンは否定のようだ。
「過密日程だしアリなんじゃないの」
「メジャー式の采配」「驚いたけどナイス采配」
「見どころのない完敗ゲームを楽しませてもらえて良かった」などの賛同意見。
「阪神ファンとして後味が悪い」
「作戦としてはアリだが、この手をとらざるを得ない試合運びを(巨人は)大いに恥じるべき」
「金を払って観にいくべきだとはどうしても思えない」などの批判意見。
「最高の技術対技術、力対力を見せるのがプロ野球」との信条を持つ、
故野村哲也元監督は何を語るか。
勝つための優先順位、合理的な判断が評価される時代に、
美学を語るのは時代遅れのようだ。
この話にはおまけも付いていた。
前記の舞台裏で球団は、前夜に起きた流出動画の対応に追われた。
発端は5日の試合前、ベンチ前の円陣で北村拓己内野手(23)が、
「相手ピッチャー藤浪さんですけど、当てられる前にしっかりバットに当てて、
初回からエンジン全開でいきましょう!」と声出しを行った。
制球難で苦しんできた藤浪選手への皮肉な発言ではあったが、
なぜか、この動画が球団公式ツイッターで配信されてしまった。
球団はその後に投稿を削除したが、時すでに遅し。
瞬く間にネット上に拡散し、球団への批判が殺到。
球団側の初歩的な不手際で、出さなくていい動画を出したようだが、
巨人の球団幹部が阪神サイドに謝罪することとなった。
北村選手は自らの発言に反省の態度を示しているが、連勝中のゲン担ぎもあって、
この日も声出し役を務めた。その背中には「変なことしゃべるなよ」などのヤジが浴びせられた。