森会長の後任を選ぶ「候補者検討委員会」で座長を務めた、
森会長と非常に仲の良い組織委員会の御手洗富士夫名誉会長(85)は、
選考を終えたあと記者会見し「オープンで透明度の高い手法をもって橋本会長が誕生した」と述べ、
選考過程が不透明だという指摘は当たらないという考えを示した。
‘@非公開の会合で、透明度の高い手法とは、どういう意味なのか。
年齢のせいか組織のせいか、御手洗会長は日本語が理解できていないようだ。
非公開だけど透明度は高い。この池は濁っているけど透明度は高い。
新しい解釈のようだが、大きな組織に入ると大概の人は濁ってしまう。
御手洗名誉会長は、新会長にふさわしい候補者を議論した17日午前中の2回目の会合で、
橋本会長を含む9人の候補者があがったとしながらも橋本会長以外の名前は明らかにしていない。
ただ、「候補者検討委員会」の8人のメンバーのうち6人が、
単独または複数の候補として橋本会長を推薦したという。
そして、17日夕方、御手洗名誉会長が橋本会長に対し候補者に一本化されたことを電話で伝え、
18日正午すぎ、3回目の会合の途中で、橋本会長から、
「理事会で大役を決めるということになれば、お受けいたします」という電話があったという。
橋本新会長が、7年前のソチオリンピックで日本選手団の団長を務めたとき、
フィギュアスケートの男子選手とキスをした写真が週刊誌に掲載され、
団長の立場を利用したパワーハラスメントなどと報じられたことについて、
選考の過程で議論されたかと聞かれると「議論はありませんでした。全く質問も出なかった」と答えた。
委員会のメンバーから橋本新会長を推す、どのような発言があったのか聞かれたのに対して、
「オリンピックに7回出場し選手団の団長も務めている。
国際経験があり知名度も高く理想の人だという感じだった。
大臣も務めたことから『憧れの存在だ』と熱烈に推薦の考えを話している委員もいた」と強調した。
そのうえで御手洗座長自身は「橋本さんの経歴を見ると事前にあげていた5つの資質に対してぴったりで、
資質は彼女のために作ったのではないかと思うくらいだった」と自画自賛で評価した。
新会長に女性を選ぼうという意図があったかと問われると、
「橋本新会長を選ぶ際には考えなかった。彼女のことを政治家として評価しているし、
女性だから選んだというわけではない。そういった話は出なかった」と答えた。