日曜午前のBBC番組「アンドリュー・マー・ショー」の司会者として知られる、
BBCのアンドリュー・マー記者(61)が、新型コロナワクチンの接種を2回受けた後、
6月にデルタ変異株に感染し発症。
内外の有力政治家や著名人をインタビューしてきたマー記者が、珍しく自分自身の体験を記事にした。
確かなことは言えないが、振り返って逆算してみれば、
自分が新型コロナウイルスのデルタ変異株に感染したのは、
コーンウォールで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)の最中だったはずだと、
かなりはっきりそう思う。おそらく6月13日の日曜日のことだ。
私はすでにファイザー/ビオンテック製のワクチンを2回、受け終わっていたので。
別に無謀な真似はしていなかったが、それでもかなりの無敵感はあった。
それは間違いだった。
水曜日になって、私は「ラテラルフロー」と呼ばれる迅速検査を2回受けた。
どちらも結果は陰性で、私は日常生活を続けた。
正直言って、ロンドンのBBC本社で一緒に働く同僚に、ワクチン未接種の若い人たちがいなかったなら、
そのまま次の日曜の番組に臨んだかもしれない。
ロンドン北部ニースデンにあるヒンズー教寺院に設けられたウイルス検査施設に出向き、
PCR検査を受けることにした。
翌朝8時になって、陽性判定を受け取った。
そして、国民保健サービス(NHS)「検査・追跡」チームから、
最初に症状が出た日から10日間は自主隔離しなくてはならないと言われた。
つまり私の場合、6月25日の夜までだ。
最初の症状を感じてから2日後、本格的に具合が悪くなりはじめた。
高熱が出て、筋肉痛、全身の震え、ひどい頭痛と、インフルエンザのような症状が出た。
何のにおいもしなくなった。アフターシェーブローションも、コーヒーも。何もかも、まったく。
本を開いては読むのを諦めて、もう一寝入りしようとベッドに戻るのを繰り返した。
ニュースにさえ、あまり関心がもてなくなった。
少し気分が良くなっても、次の日にはまた前より具合が悪くなった。
症状や後遺症が長期化する、いわゆる「長いCOVID」のことを心配しはじめた。
しかし、私にとってはすべてうまくいった。
かなり素早く回復したし、どうやら完全に治ったようだ。
自主隔離期間が終わるころには、具合はすっかり良くなっていた。
それでも、思うことはいくつかある。
第一に、インドで最初に特定されたこのデルタ変異株による初期症状は、
軽い風邪に非常によく似ている。そして、感染力は非常に高い。なので、くれぐれもご注意を。
第二に、少しでもあやしいと思ったら、PCR検査を受けてください。
さらに、それで陽性の結果が出たら、お願いだから自主隔離してください。
自分はもう2回ワクチンを受けているから、自分は無敵で超能力があるとか、
そういう気分になっているかもしれないけれども。
そして、ワクチンは確かに効く。
入院が必要になるような重症化はしっかり防いでくれるようだ。息苦しいことは一切なかったので。
だからといって、感染しないというわけではない。
そして、「軽症あるいは中等症」というあっさりした表現とは裏腹に、
その裏に隠れる実際の症状は、決して楽なものではない。
要するに、みなさん十分注意してください。お大事に。