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​防護服越しの涙で最後の別れ「ありがとう」

「やっと会えたね」


(抜粋。意訳)


新型コロナで重症化した母親に、泣きながら声を掛ける防護服姿の娘。

聖マリアンナ医大病院は、コロナで死期が迫った患者に、

家族を直接会わせる取り組みを始めた。

防護服姿のAさんが枕元に近づき、母親に話しかけるが、意識はない。

「ごめんね、ちゃんと触ってあげられなくて、ごめんね。本当にありがとう。頑張ってくれて、ありがとうね」

Aさんは「ありがとう」を何度も繰り返し、母親の手を握り続けた。



「4月5日に母が40度の熱を出して、ベッドから起きてこなかった。入院して熱はあったが、

意外と元気で安心していたが、8日後、急に容体が変わりましたということで、

あっという間に救急搬送されてしまった」

母親は重症化し、病院のICUへ。しかし、容体は回復しない。

Aさんは母親の病室に行くことはかなわない。面会はリモート、タブレット越しだった。

「母はもうしゃべれなかったが、ちょっと意識があって目を開けられて、

私の言うことが分かった最後の日。母の日はまだ早かったが、花束を渡してもらったら、

すごく嬉しそうに握りしめていて」



4月28日。Aさんは、母親との面会が許された。

母親に、看護師が声を掛ける「よく頑張ったね、娘さんが来てくれますよ」

防護服や手袋を身につけたAさんが、母親に近づく。

「涙を流しているの?分かっているんだね」

「会えたね、会えたね。本当にありがとう。これからもずっと一緒にいてね。こんなに苦しんで、

辛い思いをさせて本当にごめんなさい」

「自分がコロナに感染させてしまった」とAさんは謝り続けた。

そんなAさんに、看護師はそっと手を添えた。

このとき、2人に寄り添った看護師は、

「こんなに悲しいことを、家族一人であの場にいてくださいというのは、

しんどすぎるんじゃないかと思って、一緒にこの時間やこの気持ちを共有できる人が、

いるという状況が大事なのかなと思って」

面会の8日後、母親は亡くなった。

JNN