アメリカでは家畜用の寄生虫駆除薬であるイベルメクチンをコロナ治療薬として勝手に服用し、
具合が悪くなって救急車で運び込まれる患者が急増。
米オクラホマ州郊外のある医師によれば、馬用の寄生虫駆除薬に使われるイベルメクチンを,
新型コロナの治療薬として過剰摂取した人々が、地元の病院の救急処置室を埋め尽くしているという。
同州東部と南部の複数の救急処置室に勤務しているジェイソン・マクエリエ医師は、
「この薬の服用にあたって医師の処方が必要なのには理由がある。
場合によっては危険だからだ」と述べた。
イベルメクチンを服用する人が増えている事態に、米食品医薬品局(FDA)をはじめとする,
複数の保健当局が厳重な警告を発信。
この薬を、本来の目的以外で使用しないようにと呼びかけている。
マクエリエ医師自身、最近イベルメクチンの副作用で救急処置室を訪れた多くの人を診察したという。
また彼は、この薬を服用して体調を崩した人々への対応で、救急車が足りない事態が発生していると指摘。
「救急処置室がいっぱいで、銃で撃たれた人々がなかなか治療を受けられない」
「ベッドが空かないため患者が運び込めず、救急車が病院から離れられない状態だ」と説明。
「救急要請の電話に応じられる救急車がなければ、患者の元に向かえる救急車もない」と、
危機感を訴えた。
「薬局や小売店でイベルメクチンの取り扱い量が増えているが、人間用に販売されているものではない」
と説明。
米疾病対策センター(CDC)は声明の中で、
「米食品医薬品局(FDA)は、新型コロナ感染症の予防薬または治療薬として、
イベルメクチンの使用を認可も承認もしていない」と述べた。
米国立衛生研究所(NIH)の新型コロナ感染症治療ガイドライン委員会も、
現段階で、新型コロナ感染症の治療薬として、イベルメクチンを推奨する十分なデータはないとしている。
全米薬剤師協会(APhA)は、分かりやすいメッセージを発信しようと、8月にツイッターに、
「あなたは馬ではありません。牛でもありません。これは真面目な話です。やめてください」と、投稿。
FDAによれば、イベルメクチンを人が服用した場合の副作用には、吐き気や嘔吐、下痢、血圧の低下、
めまいや発作、昏睡状態などがあり、最悪の場合は死に至る可能性もあると書いてある。
マクエリエ医師は、「過剰に摂取したことで、新型コロナ感染症にかかるよりもひどい状態に陥った人々もいる」
と語る。
‘@家畜用は当然だが、人間用も米では承認されていない。
FDAは8月31日、新型コロナのワクチン審査にかかわっていた幹部2人の辞任を発表。
突然の幹部辞任にFDA職員は驚きを隠さない。
FDAは、まだ、ジョー・バイデン大統領が長官を指名しておらず、
現在はジャネット・ウッドコック氏が長官代行を務めている。
FDAは数カ月以内に、追加の新型コロナワクチン承認と、
12歳未満の子どもに対するワクチン接種の承認について判断を予定している。
さらに、米保健当局者は最近、ファイザーとモデルナのワクチンを2回接種した人を対象として、
3回目のブースター接種を9月20日の週から開始すると発表。
ただしこの計画については、まずFDAと疾病対策センター(CDC)が承認する必要がある。
最大の問題は、ブースター接種の目標を設定することで、ホワイトハウスが科学よりも先行し、
FDAが判断すべきことについて、早まった発表をしていることにあるようだ。