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より良い日本へ願いを込めて。

​世間の目にさらされたCOVID研究者を守れ。

Nature ダイジェスト


COVID-19パンデミックの際に忌憚なく意見を述べた研究者たちが、ハラスメントに直面している。

所属機関は、こうした研究者を支援する施策の充実を図らなければならない。



英国政府の最高医療責任者を務めるクリス・ウィッティ(Chris Whitty)氏も、

実世界とオンラインで、殺害の脅迫を含む嫌がらせを経験した科学者の1人だ。

新型コロナ感染症パンデミックでは、公の場に登場した科学者の数が普段よりも多かった。

その多くは、初めての登場で、日々、メディアの取材を受けたり、政策立案者に助言をしたり、

ソーシャルメディアに投稿したりしている。



また、最新の新型コロナのデータについて考察し、新しい研究を説明、解釈し、

政府の政策にコメントする者もいて、タレントとして認知されるようになった者までいる。

パンデミックにおいては、科学者が一般市民に向けて明快かつ正確に情報を発信することが不可欠だ。

しかし、一般市民の注目が集まったことで、無視できない数の研究者に不幸な結果がもたらされた。

あらゆる機関が、科学者を保護し、擁護し、脅迫行為を非難するための取り組みを強化しなければならない。

ハラスメントに直面した科学者を支援する行動は、公開の場での健全な批判や議論を封じることではない。

新型コロナのパンデミックでは、新しいデータが発表されるたびに意見の対立や見解の変更が多く見られ、

どのような政策を採用すべきかについても見解の相違が見られた。



科学者と保健当局者は、自分たちの研究が疑問視されたり、異議を唱えられたりすることを想定し、

批判的なフィードバックが誠実に提起されたものであれば積極的に受け止めるべきだ。

しかし、暴力に訴える脅迫やネット上での過激な嫌がらせは、議論を促進しない。

科学がかつてなく重要視されている今、その弱体化をもたらす危険をはらんでいる。