JR西社長「輸送密度2千人以下は非効率」
JR西日本の長谷川一明社長は、経営悪化で維持が難しくなっているローカル線について、
輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が「2千人以下」の区間で、
優先的にサービスを見直す考えを明らかにした。
2千人以下の区間は、同社の在来線全体の3割超にのぼる。
新型コロナ禍で鉄道利用者は急減しており、同社の2021年3月期の決算は、
純損益が2332億円の赤字(前年は893億円の黒字)だった。
22年3月期も1千億円規模の赤字を見込む。
1987年の民営化以来、初めて2年続けて巨額赤字を計上。
これまでは利益をまわす形で、採算が厳しいローカル線を維持してきた。
だが利益が減り、今後も以前の水準まで利用が回復することは見込みにくいため、余裕がなくなっている。
長谷川社長は「(輸送密度が)2千人以下のところは大量輸送機関である鉄道の特性を生かせず、非効率だ。
非効率な仕組みを民間企業として続けていくことが、現実的に難しくなっている」とし、
2千人では採算が合わないと述べた。
対象となる区間では、バスなど鉄道以外の輸送手段に転換することも含めた見直しを進める方針だ。