「第6波ピークアウトしないかも」
新型コロナの変異を調べる東京大学医科学研究所・佐藤佳准教授。
解析を進めるうちに気づいたオミクロン株の変化。
『BA.1』と『BA.2』は、どっちもオミクロンという名前がついている。
どれくらい違うのかわからないが、従来株とデルタ株の変異の数の違いよりも、
『BA.1』と『BA.2』の変異の数の違いの方が多い。同じオミクロンの名前が付いているが、かなり違う。
『BA.1』は、現在、日本で猛威をふるっているオミクロン株。
さらに、変異を重ねた亜種が『BA.2』。
『BA.2』の特徴について、現時点でわかっていることは多くない。
しかし、これまでのオミクロン株を、さらに上回る感染力が指摘されている。
先日報告したが、すでに置き換わっている国もある。
デンマークでは、去年12月から感染者が増え始め、今月中旬に加速度的に増加。
21日には過去最多の4万6831人を記録。
関連については、まだ詳しくわかっていないが、52%が『BA.2』の感染で、
世界でもいち早く置き換わりが進んでいる。
イギリスの保健当局は『BA.2』を“調査中の変異株”と位置付けた。
これまで確認されたのは426例だが、増殖率がより高い可能性があるとして、警戒を強めている。
イギリスの専門家インペリアル・カレッジ・ロンドンのトム・ピーコック教授は『BA.2』について、
「複数の国で一貫して、増加しているということは、亜種(BA.2)がこれまでのオミクロン株(BA.1)より、
ある程度感染力が強い可能性がある証拠だ。
インドとデンマークのごく初期のデータによると、これまでのオミクロン株(BA.1)と比較して、
重症度に劇的な差はない様子だ」と見ている。
『BA.2』が確認されているのは、他にもインドやスウェーデンなど、全部で48カ国。
そこには日本も含まれる。厚生労働省によると、空港検疫で確認されたオミクロン株の感染者のうち、
『BA.2』だったのは、19日時点で198例。インドやフィリピンから来た人たちが中心。
佐藤准教授は、日本でも今後ウイルスが『BA.2』に置き換わり得るとしたうえで、
「第6波は最後ではない。第7波という形でいったん落ち着いてから次が来るのか。
第6波にかぶさった形で『BA.2』が、もう日本に入ってきている。
それが感染の山の伸びに関わってくるのかはわからない。
世界的には『BA.1』の次に『BA.2』が来ているので、第6波では終らない」と指摘。