プーチン、天然ガス支払い「ルーブルで」
プーチンは23日、「非友好国」に対し、天然ガスの支払いをルーブル建てで行うよう仕掛けた。
これを受け、域内のエネルギー不足が悪化するとの懸念から、
欧州のガス価格が急騰、ルーブルも大きく値上がりした。
EU内では、ロシアのエネルギーへの制裁を加えるかどうか、弱気になっているが、
プーチンは「われわれの天然ガスが欲しければ、われわれの通貨を買え」という明確なメッセージを放った。
プーチンはテレビ放映された閣僚会議で、
「ロシアは当然、これまでに締結された契約通りの量と価格で天然ガスの供給を継続する」とし、
「今回の変更はロシアルーブルに変更される支払い通貨にのみ影響する」と述べた。
今回の措置は、バイデン大統領がベルギーの首都ブリュッセルを訪問し参加する、
24日に開かれるNATOの緊急首脳会議や欧州連合(EU)の首脳会議への牽制。
それとルーブル相場を下支えするため、ルーブル買いを強制する措置だ。
こうした中、ロシアルーブルはプーチンの思惑通り、
対ドルで一時1ドル=100ルーブルを超えて値上がりし、一時94.9875ルーブルと、
3月2日以来の高値を付けた。ただ、2月24日以降では約20%下落している。
欧州のガス卸売価格の一部は最大で30%上昇。
プーチンも一筋縄ではいかない。
制裁に伴い欧州諸国が家庭暖房や経済活動のための資源を、
ロシアの天然ガスに依存する構図は一層浮き彫りとなっている。
西側諸国はロシアへの制裁を強めているが、さらなる制裁に踏み切れるのか。
EUのロシアからのガス輸入は今年に入ってから、1日約8億8000万ドルの間で推移しているという。
日々1065億円のEUの金が、ロシア軍の戦費に回される計算になる。
ただ、ロシア軍の戦費は1日、1兆とも2兆とも言われている。