沖縄県名護市辺野古で米軍基地建設への反対運動中に逮捕された猪股東吾さん（40）が、
産経新聞のネット記事で名誉を傷つけられたとして、産経新聞社に110万円の損害賠償を求めていた。
訴訟の判決が8日、東京地裁（飛沢知行裁判長）であり、判決は名誉毀損を認め、同社に22万円の支払いを命じた。
猪股さんは「大袈裟太郎」の名前で活動。
産経は2017年11月の記事で、第三者のネット投稿を引用する形で「辺野古でも暴力の限りを尽くし」
「相手が無抵抗だと罵声を吐いて挑発し揚げ足をとり、いざ検挙となると急に縮み上がって主張を引っ込める小心者」
などと、根拠のない誹謗中傷の記事を書いた。
判決は、猪股さんが直接的な暴力に及んだり、建設反対の主張を撤回したりしたことを裏付ける証拠はなく、
「真実性の証明があったとは認められない」と判断。
産経側は「ネット上での意見やコメントが述べられた事実を書いたに過ぎない」と、
ネット上の根も葉もないコメントを事実と捉え記事にしたと、
およそ責任を持つメディアの言い訳とも思えない主張をしたが、
判決は「その内容が事実であるかどうかを留保する記載もなかった」と退けた。
判決後、猪股さんは会見で「勝訴し、うれしく思っている。沖縄の反対運動をする人に向けられた悪意、
印象操作を問う意味合いもあった」と、ひろゆき氏らの言動も含め勝訴を喜んだ。
産経新聞社は「主張が受け入れられず残念。判決を精査し、今後の対応を検討する」としている。
