ドイツ連邦軍の極秘報告書を入手した現地紙は「目に余るような軍の脆弱性」と報じたが、
今度はSpiegel紙が「8日間の演習に参加した18輌の歩兵戦闘車が全て故障した」と報じ注目を集めている。
2023年にNATOの高高度即応統合任務部隊の役割が今回演習に参加した第37装甲擲弾兵旅団に回ってくるため事態は深刻だという。
ドイツ連邦軍の作戦準備に関する極秘報告書を入手したSüddeutsche Zeitung(SZ)紙は今月13日、
目に余るような軍の脆弱性を明かしていると指摘して「ドイツはNATOの義務を果たすことが困難だ」と報じた。
ドイツはリトアニアに約3,000人規模の戦闘旅団を派遣したが、
砲兵装備の不足(稼働状態だったPzH2000をウクライナに提供したのが原因)しているため、
旅団は自前の火力支援=砲兵部隊なしに派遣され、不足する大砲をカバーするための装備はどこにも見当たらないという。
さらに防空システムの不足からリトアニアの防空任務もパスする必要がある。
スロバキアに派遣したパトリオットシステムはアップグレードを受けるため2023年末までにドイツに戻さなければならず、
これをカバーするための代案を検討している最中で、海軍は国連やEUの海上ミッションに派遣する艦艇の用意が間に合うか微妙な状況。
空軍は旧式のレーダーシステム、無線機、ソフトウェアが足を引っ張り「2023年以降の領空保護が提供できるかも怪しい」とSZ紙は報じた。
この問題はドイツ軍の現場や防衛産業界の問題というより、ドイツ連邦軍調達局(BAAINBw)の、
非効率的で矛盾に満ちた調達アプローチに原因があって、
必要な装備調達やアップグレードを実施するための資金があっても、
BAAINBwが予算執行までに信じられないほど時間をかけるためだ。
ようやく実行に移されたときには時代遅れになっているか、別の問題が発生しているか、
新たに設けた規則に引っかかって追加の改修を必要とするのかのどれかで、
BAAINBwの行き過ぎた官僚主義がドイツ軍の能力を妨げているとしている。
例えばオーストリア人の兵士はアフガニスタンで道端に停車したままのIFVを不思議に思い、
「どうして使用しないのか」と尋ねたが、ドイツ軍兵士は「エンジンのコンピューター制御に問題があって、
ドイツの排ガス規制をクリアしていない」と回答。
要するにBAAINBwは軍が必要とする能力を素早く届けるために働いているのではなく、
「徹底的な法令遵守」と「調達過程の訴訟からBAAINBwを守る」ためだけに働いているのだろうと皮肉った。
‘@日本などもそうだが、平和が何よりなのだが平和が続くと軍備がおろそかになる。