香港紙・明報は8日、中国・重慶の新型コロナ抗原検査キットの製造工場で、
突然の解雇に腹を立てた労働者1000人以上が抗議行動を行い、警官隊と衝突したと報じた。
報道によると、工場側が6日、臨時雇いを含め数千人を解雇。
「ゼロコロナ」政策の終了と抗原検査キットの品薄解消による業績見通しの悪化が原因とみられる。
抗議の現場を撮影したとされる動画が7日、インターネット上で拡散。
動画では、抗議参加者が警官隊にプラスチック製の箱を投げつけたり、「金を返せ」と叫んだりしていた。
警官隊が一部の抗議参加者を拘束したとの情報もある。
中国では最近になり、特に実績ある科学技術者で構成される中国工程院(中国工学アカデミー)のメンバーが、
大量に死去した。
高齢者が多いのも事実だが、通常ならば年間を通じた死者数よりも多い人数が、2週間余りの間に死去したという。
新型コロナ感染患者の“爆発的増加”で医療機関が逼迫したために、
通常ならば重要人物として享受できる優遇措置も与えられない状況だという。
中国工程院の公式サイトには、亡くなった院士の生没年が掲載されているが、死因は示されていない。
北京のある医師は香港で発行される英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」に対し、
「現在の爆発的な流行により病院には、院士を優先して医療待遇を保障するための空きベッドがない状態だ」と明かした。
中国では、官僚や共産党員、軍人、さらに公的役職に就く者について、厳格な序列制度を設けている。
中国科学院や中国工程院のメンバーに対しては、医療面についても「省部級副職」と同様に優遇される。
しかし、北京市内にある某大病院に勤務する医師は、
「最近の感染症拡大で大病院は混雑しており、中国科学院や中国工程院の院士が搬送されてきても、
病院のロビーで補助ベッドを確保できただけでも幸運だ」と述べ、
「新型コロナ感染症の爆発的な流行で医療需要が激増し、他の病気の治療が延期を余儀なくされている」と、
危機感を訴えた。