東京電力福島第一原発事故の賠償に充てる東電の「特別負担金」が、2022年度分は10年ぶりに0円となる。
東電の赤字が理由で、西村康稔・経済産業相が認可した。
東電の支払いが遅れれば利息が増え、国民の負担増につながる。
賠償費用は国民負担も生じており、当事者の東電が支払わない状況に「不公平だ」と指摘する声もある。
国の試算では賠償費用として7・9兆円を見込む。
賠償金は政府出資の原子力損害賠償・廃炉等支援機構が肩代わりし、電力会社が「返済」する仕組みだ。
今期、東京電力は、4月~12月の9ヶ月で6500億円の赤字を計上。
その理由から、特別賠償負担金が0円になるとのこと。
東京電力は、これまで毎年数百億円~1千億円程度の特別賠償負担金を支払っていた。
‘@大阪公立大学商学部の除本理史教授(日本環境会議JEC副理事長)によると、
東京電力は、福島原発事故の賠償を支払っているようにみえて、実は賠償負担をしていない。
原子力損害賠償・廃炉等支援機構をつうじて、国から賠償金に相当するお金をもらっている。
その代わりに、負担金で少しずつ「返納」する仕組みがある。
今回、その負担金(特別負担金)を免除されたということであり、東電の実質的な賠償負担がそのぶん軽減された。
結局は国民負担。
これを理由に電気料金値上げなど、たまったものでは無い。
原発に重くのしかかる負の遺産だ。
2023年4月3日
東京電力ホールディングス株式会社
当社は、原子力損害賠償補償契約に関する法律の規定による補償金として1,889億円、また、機構からの資金交付としてこれまでに10兆5,382億円を受領しておりますが、2023年4月末までにお支払いする賠償額が、これらの金額の合計を上回る見込みであることを踏まえ、134回目の資金交付を要請していたものです。134回目の資金交付として、2,910億円を要請し、すでに3月分として1,018億円の資金交付を受けておりますが(3月22日お知らせ済み)、このたび4月分として資金交付を受けたものです。
当社といたしましては、機構からの資金援助を受けながら、原子力事故の被害に遭われた方々の立場に寄り添った賠償を最後のお一人まで貫徹してまいります。