大手電力10社の2023年3月期の連結業績予想は、中部電力を除く9社が赤字となり、
赤字額の合計が1兆円を超える見通しとなった.
ロシアのウクライナ侵攻や円安で、液化天然ガスや石炭などの輸入価格が高騰し、火力発電の燃料費がかさんだ。
東京電力など7社は、電気料金の4月以降の抜本的な値上げを目指す。
赤字額が最も大きいのは東京電力HDの3170億円で、東北電力の2200億円が続いた。
四国電力が31日に発表した2022年4〜12月期の連結決算は、最終損益が18億円の黒字。
伊方原子力発電所3号機の稼働で電力販売量が伸びたほか、円安の進行で生じた為替差益が利益を押し上げた。
営業費用が35%増の6054億円とは、何に使用したのか。
四国電力はこの春から規制料金についても値上げする方針。
中部電力が30日に発表した、2022年4月から2023年3月までの業績予想は500億円の黒字で、
1300億円の赤字予想とした2022年10月から大幅に上方修正。
燃料価格や卸電力取引市場の価格が想定を大幅に下回っているほか、
円安や傘下企業の電源調達コス、需給調整費用が減少していることも採算改善につながった。
浜岡原発は再稼働していない。
林欣吾社長は、顧客の負担を軽減する方法を経営環境をみながら3月まで検討し決定するとしている。
大手電力の赤字額が合計で1兆円を超えるのは、
東日本大震災後の原発停止などにより8社の赤字額が1兆6千億円近くに上った13年3月期以来、10年ぶり。
‘@地政学リスクもさることながら、経営陣の手腕でも温度差があるようだ。