法令順守ないがしろ、利益優先。
新型コロナウイルス対策の受託業務を巡る近畿日本ツーリストの過大請求問題で、法令順守をないがしろにしていた実態が浮き彫りになった。
本業の旅行需要が激減する中で利益を優先し、社員教育が不十分な見切り発車で受注したことが不正につながった。
過大請求があったのは、新型コロナワクチンの問い合わせに応じるコールセンターや接種会場の運営など、自治体から受託したコロナ対応業務が中心だった。
2日、記者会見した高浦雅彦社長は「法的な知識がないまま事業を始めたのが実態だ」と釈明したが、
同社は営業目標を達成しようとの意識も原因になったと認めており、
利益確保を急ぐあまり、法令順守を軽視した面は否めない。
この問題で同社への信頼は揺らいでいる。
問題発覚後、旅行の取り消しも出ており、消費者から厳しい目が向けられている。
高浦社長は「個人旅行、団体旅行の一部に現在、影響が出ている」と説明。旅行の申し込み減少や取り消しが発生しているという。
‘@税金を不正に受け取った代償は小さくない、またそうでなくてはならない。
親会社のKNT-CTホールディングスは外部のメンバーからなる調査委員会を設置。
「調査に全面的に協力するとともに調査の結果、明らかになった事実を速やかに公表し、
再発防止策や管理体制の改善策に反映していく」としている。