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​草津町を「セカンドレイプの町」と呼んだフェミニストらの横暴を許すな。

黒岩信忠(群馬県草津町長)

(月刊正論2月号より)抜粋・編集

群馬県草津町は日本一の自然湧出量を誇る草津温泉があり、歴史ある観光の町です。

人口七千人に満たない小さな町ですが、町民は温泉と温泉を愛してくださる観光客を大切にしながら穏やかな暮らしを営んできました。

ですが令和元年十一月以来、わが草津町は理不尽な大事件に見舞われたのです。



発端は私が白昼の町長室で、女性町議と肉体関係を持った|とする虚偽内容の電子書籍が出版されたことでした。

女性町議の主張はやがて私に「レイプされた」に変わり、事実無根の冤罪がかけられてしまったのです。

私はもちろん他の町議も町民も疑惑を払拭しようと力を尽くしましたが、今度はこれが、フェミニストや女性学を奉じる大学教授らによって「女性の勇気ある告発を封じるのは人権侵害である」「セカンドレイプの町、草津」などと批判されました。

捜査当局の尽力の末、令和四年十月三十一日、この女性町議は失職後、名誉棄損と虚偽告訴の両罪で裁判所に在宅起訴されました。

本稿では私たちの町を襲った出来事を報告し、私たちが味わった口惜しさを多くの人に知ってもらいたいと願っています。

問題の電子書籍は、飯塚玲児氏というライターが自費出版した『草津温泉 漆黒の闇5』です。



今にして思えば、今回の騒動は湯長制の廃止に伴って権益を失った勢力が私の失脚を狙って画策した〝事件〟なのだろうと考えています。

騒ぎが起きてから、今に至るまで疑惑の払拭とともに苦しめられたことがあります。それはまずフェミニストの議員や大学教授、識者と呼ばれる人たちが「女性が勇気を持ってした性被害の告発をみんなで潰そうとしている。草津町セカンドレイプの町だ」などと町を批判し始めたことでした。

一方的かつ何一つ証拠がないにもかかわらず、フェミニストの方々が女性差別ジェンダーを持ち込んだことによって事態がこじれていったと感じています。

もうひとつは、外国特派員協会での記者会見で新井氏の主張が世界中に発信されたことも町には深刻な打撃を与えました。

新井氏の主張は世界中のメディアによって拡散されました。



「この事案は、日本で性暴力被害を告発する女性が直面する困難を浮き彫りにしている。日本では、こうした被害を訴え出ることは極めて少なく、オープンに議論されることはめったにない」

これは米紙ニューヨーク・タイムズの「彼女が町長からの性暴力を訴えた後、その町は彼女を攻撃した」と題した記事です。

「彼女(新井氏)の苦境は、日本の地方や国の政治における男性支配(の実態)を浮き彫りにした」

こちらは英紙ガーディアンの報道です。明らかに性暴力があったことを前提にしています。

まるで日本では常習的に性暴力を加える野蛮な政治家が牛耳っていて、女性の権利が蹂躙されているかのごとく決めつけた報道といえましょう。

草津町役場周辺では「町長出てこい!」「町長ヤメロ!」と街宣をかけられたこともありました。

さらにSNS上には「二〇二〇年十二月十日、午前三時三十四分から午後四時三十三分の間に草津町の公施設を攻撃する。またリコールに賛成を投じた者を暴力団の拳銃で射殺する」といった書き込みもありました。

その結果、町内の認定こども園や小中学校は臨時休校を余儀なくされました。遺憾の極みで、憤りを禁じ得ません。

インターネットでは「草津町に『行くのをやめよう』キャンペーン」が展開されました。「いつレイプされるかわからない」といった風説が次々と流布され、あふれていきました。草津町の被った損害は計り知れません。

新井氏の主張は無条件に事実のごとき取り扱いを受けます。ところが疑惑を払拭しようと悪戦苦闘している私たちは加害者のごとく見られ、

隠蔽を図っているかのような報道があふれたのです。SNSはもはや「ネットリンチ」とでもいうべき状況でした。

一方的に私を加害者に見立てた言説も多かった。



例えば東京大学名誉教授の上野千鶴子氏は議会関係者が読む雑誌「地方議会人」令和三年五月号の巻頭言で次のような文章を書きました。

《極めつけは草津町の新井議員が町長のセクハラを公表したことで与党議員が立ち上がり、リコール運動を実施、新井祥子議員は失職した。やるべきことが間違っているであろう。最初に第三者を交えた調査委員会を立ち上げ、事実の究明を行い、事実なら加害者を処分することだ、それなのに被害者を議会から追い出すとは本末転倒だ》

「事実なら加害者を処分することだ」とは一言ありますが、全体的に明らかに私が加害者であるとの前提で書かれた文章です。

直ちに雑誌側と上野氏に抗議文を送付しました。ですが上野氏は「謝罪しない」の一点張りでした。

雑誌側は「軽率だった」と認めましたが、雑誌の記述に問題があったことは認めていません。

新井氏が虚偽告訴罪で訴追された今、上野氏は自らの記述をどう考えるのか、改めて抗議文を送って質したいと思っています。

全国フェミニスト議員連盟(共同代表、増田薫・千葉県松戸市議、前田佳子・東京都八王子市議)からは私や議長らに対して抗議文がありました。

 

群馬県草津町議会は、「女性ひとり議会」です。新井祥子議員が町長による性被害を告発したことへの草津町議会の対応は「性被害を告発したこと自体を否定する」人権侵害だと私たちは考えます》

「性被害を告発したこと自体を否定する人権侵害」と言いますが、新井氏は矛盾を指摘しても無回答なのです。それどころか、町長の不信任案を提出し〝性被害〟なる主張も取り下げていません。

議場で自分の主張の真実性について説明責任を果たすべきですが、それはなされない。

全国フェミニスト議員連盟は裁判中にもかかわらず、リコールが行われ、成立したことについてもやり玉にあげてこう抗議しています。

《裁判の日程は未定、警察の捜査も終わっていない中、客観的認定のないまま十二月六日、住民投票が実施され解職賛成が二五四二票・反対二〇八票で新井議員は失職しました。町議会議長らが呼びかけ人となって動いたこの住民投票は、地方自治が想定した住民投票の趣旨から逸脱している、と私たちは考えます》

これもおかしな理屈です。新井氏はこの時点で民事、刑事ともに訴訟提起や告発などの法的措置を自分からは一切採っていないのです。

彼女が「裁判で明らかにする」と言っている裁判は私が提起したもので、仮処分申請の段階で裁判所は一定の事実関係を示し新井氏による名誉棄損を認定しているのです。

それにリコールはそもそも住民の発意で始まったものです、

  

しんぶん赤旗」にはフラワーデモ群馬主催者代表の田嶋みづき氏による「町長から性暴力を受けたと告発したことでリコールとなり失職した新井祥子元草津町議、日本共産党の山田みどり中之条町議らが参加しました」

「性暴力を訴えると排除される社会を変えよう」(一般社団法人Spring代表理事山本潤氏)といったコメントが掲載されていました。



どれも私が加害者、新井氏は被害者だという前提に立ったものばかりです。山本氏はSNSで「#レイプの町草津」というタグを広めた人物と言われていて、法務省の性犯罪に関する刑事法検討会の委員という要職にあるそうです。

作家の北原みのり氏は、朝日新聞が手掛ける「AERAdot.」に「町長にたとえ加害の事実がなかったとしても、この議会そのものが十分に性暴力でミソジニー(女性蔑視)だった」などと批判していました。

北原氏は、議場で新井氏が「証拠を出せ」などと言われている光景を「性暴力的」などと評していました。

新井祥子元草津町議を支援する会」なる会は「セカンドレイプ」という言葉を盛んに広めました。

悪魔の証明」は難しい、といわれます。

新井氏が在宅起訴となったことで疑惑が払拭され、晴れて無実を手にできそうな手ごたえはありますが、虚偽の訴えによって一瞬にして人間一人が社会的に葬られてしまうのですから恐ろしい話です。

私自身もここまで何度心が折れそうになったことか。どうか、読者の皆様におかれては、薄汚く淀んだ企みと戦っている私たち草津町の歩みを暖かく見守って下さるよう願っています。(構成 安藤慶太

(月刊正論2月号より)

くろいわ・のぶた



‘@わたしは当初より、町長室で無理やり行為をすれば、職員が気付くだろうし拒否すれば声や物音が響くと指摘。

そもそも新井氏の言動には当初より矛盾する点が見え隠れしていた。


直ぐ飛びついて叩くフェミニスト上野千鶴子氏は謝罪し猛省すべきだ。

こういった事件こそ冷静に判断し対応しなければ安易に冤罪を生むことになる。

バーカなネトウヨなどはさて置き。著名な人や団体が一人の無実な人間を犯罪者に追い詰めていくなど言語道断。

肩書を外すべき。真摯に反省して今後の活動に生かすべきだ。