人材派遣大手、パソナグループは31日、東京にある本社の主要機能を、
兵庫県の淡路島に移す方針を明らかにした。
営業、人事部門などの社員約千人を来年春までに淡路島に異動させる。
パソナは淡路島の兵庫県立淡路島公園内に、フィールドアスレチックなどが楽しめるテーマパーク、
「ニジゲンノモリ」を開設しており、8月には怪獣「ゴジラ」のミュージアムもオープン。
同月には劇場と和洋食レストランを備えた「青海波」も開業したほか、
人気キャラクター「ハローキティ」のレストランなども営業している。
異動の対象となるのは、取引先とパソコンを通じてオンラインでやり取りができる営業部門や、
福利厚生などを担う人事部門が手掛ける社員の給与計算業務なども東京本社から移す。
取締役会や経営会議も淡路島で開催する計画だ。
パソナの南部靖之代表は、「上場企業の先陣を切って本社機能を地方に移転する。
淡路島では賃料などが首都圏に比べて5分の1程度と安く、節減できた経費は社員に還元できる」と説明。
対応できない社員は別の場所に移動するか子会社に振り分ける。
辞する社員もでるだろう。
本社機能を淡路島に集約することで、社員のレストラン利用を促進したり、
取引先を各施設に招致したりするなど、相乗効果を図って施設の利用率を高める狙いもある。
政府が補正予算約1兆7000億円を注ぎ込む観光活性化事業「Go Toキャンペーン」の第1弾、
「Go Toトラベル」がスタートして1カ月が過ぎた。
評価する向きがある一方、キャンペーンの効果は限定的との見方もある。
数少ない勝ち組に、淡路島が挙げられている。
「大阪や神戸から観光客が詰めかけている。ホテル・旅館は満室に近い」(淡路島観光協会)。
神戸淡路鳴門自動車道の「淡路ハイウェイオアシス」には大観覧車が存在しており、
この施設自体が観光地となっている。また、平日でも満車になる日が多い。
2000年には、植物園、展望台、ホテル、レストラン、国際会議場などを備えた、
複合リゾート「淡路夢舞台」が完成。
20年7月にも瀬戸内海の絶景を楽しむ「KAMOME SLOW HOTEL」がオープンしており、
淡路島は近年、観光地としてさらに注目されている。