行政法学の岡田正則教授は、これは「公文書破壊」であると指摘。
また、この任命拒否をめぐっては任命権限は形式的に首相にあるため、
菅首相は「他の人にこの問題を預けることはできない」と指摘。
「自らが会長と話し合い、そして結論としては(6名を会員に)任命するしかない。
逃げられないと私は思います」と、徹底抗戦の構えを見せた。
芦名定道教授は、
今回の任命拒否について戸惑いを覚えた。何が問題だったかわかりにくい。
総合的、俯瞰的に見るとそれぞれの会員を任命するか否かよりも、学術会議のあり方の問題になっている。
最大の問題は軍事的研究をめぐる2017年の学術会議の声明ではないか。その声明が争点となっている。
違法性など法の問題も重要だが、「なぜこうなったのかを考え、どうするべきかを考えていければ」とコメント。
宇野重規教授は、
任命拒否については特に申し上げることはない。「これまでと同様、自らの学問的信念に基づいて研究活動を続けていく」
民主的社会を支える基盤は多様な言論活動。少数派意見を抑圧すれば、
「社会は心理への道を自ら閉ざしたことになる」と苦言を呈した。
加藤陽子教授は
法解釈の変更なしに行えない決定をなぜ菅首相が行ったのか、意思決定の背景を説明できる決裁文書があるか、政府に尋ねてみたい。
日本の現状は科学力の低下、データ囲い込み競争の激化、
気候変動を受けて「人文・社会科学の知も融合した総合知」を掲げざるを得ない緊急事態。
その領域の会員に対して、政府側の意向に従順でない人々をお予め切る事態が進行した。
国民からの付託がない、官僚による科学への統制と支配は、「国民の幸福を増進する道ではない。」
と、危機感を訴えた。
当事者の声は聞こえるが、まわりの科学者からはあまり声が聞こえてこない。
菅政権に恐怖を覚えているのか、それとも日本学術会議も一枚岩ではないのか。