日本医師会会長、新型コロナ急増はGotoトラベルが「きっかけ」
日本医師会の中川俊男会長は記者会見で、新型コロナ感染者数の急増を受け、
「コロナに慣れないでください。コロナを甘く見ないでください」と呼び掛けた。
新型コロナの感染が急拡大していることについて、日本医師会の中川会長は18日の会見で、
政府の旅行支援策「Go To トラベル」が「きっかけになったことは間違いない」との見解を示した。
中川会長は、「エビデンスはなかなかはっきりしないが、
きっかけになったことは間違いないと私は思っている。
感染者が増えたタイミングを考えると関与は十分しているだろう」と話した。
東京都ではこの日過去最多の493人の感染者が確認されたことについて、
「第1波や第2波と違って若年者主体ではなく、中高年の割合が増えている」
今週末の3連休は「秋の我慢の3連休としてください」と強く訴えた。
一方、加藤官房長官は18日の記者会見で、
「現時点の感染状況を踏まえ、3連休の間に一律に県をまたいだ移動について、
一律に自粛を要請する必要があるとは考えていない」と述べ、
「移動自粛は必要ない」と、中川会長に反論。
「Go To トラベル」については「感染防止策によって旅行による感染リスクは低減できる」として、
引き続きトラベル事業を推進していく考えを示した。
「GoToトラベル」は観光・飲食業を支援する上で重要であり、
「止めるわけにはいかない」と、さらに延長を求める方針を強調した。
東京都など8都道府県について「不要不急の移動自粛をお願いする」と危機感を訴えたが、
政府から「Go To トラベル」の強い推進を否定するようなことは控えてほしいとの要請を受け、
16日、感染拡大が顕著となっているなか、山本知事は12日の定例会見での発言を修正し、
「特に慎重な行動をお願いする」との表現に改めた。
会見の場で、宇留賀敬一副知事は「できるだけ控えてほしい」と説明したが、
山本知事は「(県民に)慎重に判断してもらう。(県が旅行を)止めるようなことはしない」と、
その場で修正した。
政府はGo To トラベルで特定地域を除外することなく継続する方針を強調している。
山本知事も、自身の新型コロナ対策を翻し、その意向に従う決定を下したが、
副知事との修正が噛み合っていなかったので、
政府見解と異なって受け止められないよう、早めの修正を判断した。
ただ、本格化するなど状況が変われば、踏み込んだ表現で注意喚起する可能性があると説明したが、
あくまでも、表現での注意喚起で、中止ではないとしている。
北海道の鈴木知事も、道内で感染が拡大し、独自の5段階の警戒ステージを、
札幌市のみ現在の「3」から「4」相当で扱うことを決めた。
札幌市と道内他地域との往来自粛や札幌市内での外出自粛を決めたにも拘らず、
「Go Toトラベル」で感染拡大の根拠はないとして、旅行者の受け入れは推進している。
「Go To トラベル」に関しては、政府から各自治体に相当の圧が掛かっているようだ。