菅総理は、政府の対策本部で、今月28日から来年1月11日までの間、
「Go Toトラベル」を全国一斉に一時停止する考えを表明した。
「年末年始には、医療機関の体制も、縮小せざるをえない状況になる。
ぜひ、国民の皆さんには、年末年始を静かに過ごしていただき、
感染を食い止めることにご協力いただきたい」と述べた。
記者が「GoToトラベルに感染拡大のエビデンスはないという認識は変わったのか」と質問したのに対し、
菅総理は「当時、移動によっては感染が拡大しないという提言もあり、そこについては変わらない」
と、頑なに認めなかった。
しかし、甘利議員もテレビ番組で、「移動が感染を広げる」と、当たり前のことを認めている。
党内ベテラン議員からも「ステイホームと言いながら旅行しろと言っている。むちゃくちゃだ」
と、まともな意見が出だした。
政府が「勝負の3週間」として新型コロナ感染拡大の対策を集中的に行うと呼びかけたが、
感染拡大に歯止めはかからなかった。
(官房長官時代から、しかめっ面ばかりだったが、こんな笑顔を見せるとは。
それにしても、官僚の作った文だけを読み続けたせいか、こんなに場が読めないとは)
「勝負の3週間」の呼びかけ後も増加は続き、
今月6日までの1週間では1万5383人、呼びかけから2週間たつ13日までの1週間で、
1万7694人と、過去最多を更新し続けている。
感染して亡くなった人の数は、
先月初めまでは1週間当たり50人前後だったが、感染の拡大とともに増加している。
「勝負の3週間」が呼びかけられた翌週の今月6日までの1週間では233人と急増。
13日まででは242人とさらに増えて、過去最多を更新。
政府の呼びかけのあとも感染拡大に歯止めがかからず、
医療体制が崩壊状況に置かれている地域もあり、死亡者も増え続ける状況となっている。
12月14日現在、感染者数は18万2305人、死亡者数は2649人
致死率を比較すると、
第1波では5.31%、第2波では0.92%、第3波では1.06%となっている。
第3波での致死率は第1波に比べると低いものの、第2波よりやや高い。
これを見ても分かる通り、「GoToトラベル」推進者は、指数を持ち出すが、
指数は下がっても、死者数は増えている。
分母が増えれば指数は下がる、誤魔化されてはいけない。
実数を注視すべきだ。
「勝負の3週間」で、週末などの人出も、残念ながら増加している。
菅総理や西村大臣の訴えだけでは何の効果もなかったどころか悪化した。
経済重視にこだわってきた菅総理だが、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、
一旦踏み留まらざるを得なくなったのだ。