1月22日の金曜日、緊急事態宣言を受けて閑散としていた銀座の繁華街。
公明党遠山清彦衆院議員が高級クラブを訪れたのは午後11時過ぎだった。
すでに店のシャッターは下りていたが、遠山議員は裏口に回ると、
ビル内のエレベーターを使って店に入った。
店は数年前に新規出店した大型店。地下には複数の個室があり、
外部のエレベーターから直接VIPルームに入れるため、
人目につくことを嫌う著名人や財界人の顧客に好まれているという。
高級クラブを訪れた22日は、公明党の山口那津男代表が国会の代表質問で、
「コロナとの戦いは国民生活に影響を与えている。国民が一丸となって危機を乗り越え、
諸課題を前に進めるためには政治の安定と信頼が不可欠。
政治家自らが襟を正し、国民生活の向上のために働き、結果を出す中でしか信頼を回復できない」
と述べたばかりだった。
遠山議員の行動は、山口代表に唾を吐きかけ足蹴にする行為だ。
遠山議員は外務政務官や財務副大臣を歴任してきた公明党のホープ。
党内では次世代の代表候補の呼び声も高い。
来る衆院選では、神奈川6区から出馬することが内定している。
創価高校から創価大学法学部を卒業。これまでは比例(九州ブロック)選出だったが、
党のトップを目指すなら小選挙区できちんと勝ち上がらなければという意味も込めて、神奈川6区を割り振られた。
1月25日に予算委員会で質問に立ったのも、年内の衆院選を見据えた顔見せの意味があったという。
遠山議員は、政府が午後8時以降の不要不急の外出自粛を求めており、
「呼びかけを守らず外に出ていたことを心から猛省している」と述べた。
‘@猛省、反省すればいいというものではない。
山口代表の「信頼が不可欠。政治家自らが襟を正し、国民生活の向上のために働き、
結果を出す中でしか信頼を回復できない」とした言葉が、空虚に空回りする。
新型コロナは(国会議員以外の)国民が一丸となって危機を乗り越えろということだ。
俄かに神奈川が騒がしくなってきた。