渡辺直美さんの容姿を侮辱するような企画を提案していた、
東京オリ・パラ開閉会式の演出の総合統括を務めていた、
クリエイティブディレクターの佐々木宏氏(66)。
東京2020組織委員会は3月18日に会見を開き、佐々木氏の辞任を発表。
週刊文春は、オリンピックの開閉会式の責任者を務めていた振付師のMIKIKOさんが、
「演出チームから排除された」と伝えた。
週刊文春によると、MIKIKOさんはオリンピック開閉会式演出の「執行責任者」を2019年6月から担当。
しかし、2020年3月に大会延期が決まり、
佐々木氏が新型コロナの「緊急対策リーダー」に指名されたことをきっかけに、
MIKIKOさんは責任者から降ろされ、
MIKIKOさんが中心となって進めていた企画案が白紙になったという。
週刊文春は、MIKIKOさんが演出チームから「排除」され、
結果的に自ら辞任届を提出したと報じている。
スタッフの話として、ストレスで体調を崩したとも伝えられた。
佐々木氏はこうした報道について否定している。
組織委の会見では、武藤事務総長はMIKIKOさん本人から辞意の表明があったことを認めた。
「MIKIKOさんから辞意の表明があるというのは事実なんですけれども、我々は慰留をいたしました。
ぜひ残っていただいて従来通りやってほしいということを述べました。
MIKIKOさんとしての理由は述べられました。
要するに、自分が引き続きやっていくという考え方について、
納得をされない何かがあるという趣旨だったと思います。
しかし、それは色々な様々な理由があって、佐々木さんの謝罪文にも、
その辺りのことが書かれているわけですけれども、
そういうお互いの話し合いの中で理解されるべきことであって、
どういう気持ちでそれぞれの方が何を考えて何に不満があるかということになると、
それは7人の中でご議論をしていただく。
演出企画に関係してのことですので、まさにそれが7人のやるべき仕事でありまして、
我々が介入するのは控えたほうがいいというのが我々の考え方です。
そういう状況の中で、MIKIKOさんのお考えを私の方からお伝えするのは、
かえってプライバシーに不利益なことを与えるのではないかと思いました。
MIKIKOさんが発表されるのであれば話は別ですけれども、
我々から発表する立場にないということであります。
あそこに書かれていることはそれぞれ思いがありますので、
これが事実だとか、それが事実じゃないと申し上げる立場にないと考えています。
MIKIKOさんがチームの中で一緒にやっていくことが困難だと感じられたから、
このようなことになっている。その状況は我々も了解をしています」と、記者会見で説明した。
橋本聖子会長は、佐々木発言は不適切で遺憾としながらも、当初は慰留を考えたという。
演出プランは佐々木案を踏襲すると表明。
出ている話が本当だとすれば、佐々木氏の直美さんを含む女性やオリンピック侮辱企画案に、
「女性を豚に例えるなんてありえない」「一時的なアイデアだとしても、言うべきじゃない」などと、
痛烈に反対し異議を唱えた振付師MIKIKOさんらに、佐々木氏がその時はラインで謝罪を表明したが、
内心「誰に意見しとんじゃ!」と、はらわたが煮えくり返り、MIKIKOさんらを排除する動きに出た。
だとすれば、佐々木氏は、いずれにしろとんでもない御仁となる。
しかし、橋本会長は慰留した。
2020年12月23日、唐突に、東京オリ・パラの開閉会式の演出を担ってきた、
狂言師の野村萬斎さんを統括とする7人のチームの解散が決まった。
組織委はパラリンピックの演出統括だったクリエーテイブディレクター佐々木氏を、
新体制の総合統括に任命。
野村氏は当時、解散を選択した理由を、組織委から「諸問題への対応が必要な時、
7人体制だと判断に時間がかかる。効率を上げることを提案され7人で納得した」
と説明。
野村氏は、新たに組織委のアドバイザーに留まった。
7人体制にしたのは誰だ、いまさら何を言っているのだと思っただろうし、
だとしても、トップを変える必要はない。屈辱だ。
組織委、政府と非常に懇意にしている、佐々木氏。
佐々木氏と組織委の7人潰しは以前から画策されていたのか。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「東京五輪関係者が女性にブタに扮する提案で辞任」と題し
「性差別的な発言による組織委会長の辞任に続き、大会4カ月前に不確実性を追加した」と、報じた。
五輪を主に扱うウェブ通信社の「インサイド・ザ・ゲームズ」は、
「東京大会のセレモニーディレクターが女性コメディアンについての蔑称的提案で辞任」と題し、
「佐々木氏の辞任は組織委にとって、新たな論争。
森氏の性差別的な発言によるダメージから評判を回復しようとしている時期に」と、報じた。
ブルームバーグ通信も「国民の支持が低いゲームへのもう一つの打撃」と皮肉り、
「最新のスキャンダルはすでに低い国民の支持に直面している主催者にとって、
別の頭痛の種になるだろう」と指摘。
AP通信も「性差別的な談話をめぐる別のスキャンダルに見舞われた東京五輪」と報じた。
ロイター通信や、AFP通信なども問題を報じた。
いずれにしろ、組織委、政府は、相当数の著名人を敵に回した。