コロナ禍、政治家や官僚の会食が関心を集めている。
そもそも政治家はなぜ会食をするのか。
「首相動静」欄に会食や懇談の相手として頻繁に登場する、
政治ジャーナリストの田﨑寿史郎さん(70)に朝日新聞が聞いた。
(一部分)
――政治家はなぜ会食をするのかについて、今年1月に民放のテレビ番組で語った解説が話題を呼びましたね。
「はい。政治家は会食するのが仕事です、仕事が会食みたいな商売なんです、と言いました。
そうしたら、視聴者から番組にLINEで数千件もの質問が殺到したのです。ショッキングな経験でした」
「政治家はリモートでは仕事できないのかとか、代金は誰が払っているんだとか……。
僕は42年間も政治取材をしてきましたが、自分にとって当たり前だったことが、
視聴者にはとてもおかしなことに映っていたのです。
会食はなぜ必要なのかと、この間、自分に問い直しました」
――具体的に何がショックだったのでしょうか。
「一番ショックだったのは『リモートでもできるんじゃないですか』という声でした。
僕の考えでは、政治という営みには会食をすることが不可欠だったからです。
会食する最大の目的は、互いの人間関係を深めることです」
――人間関係を深めなければできないものなのですか。
「そうです。『政治家は政策を競い合え』『政治家は政策ベースで動け』と説く人が多いですが、
現実の政治家は政策では動いていません」
「政治は人間が動かしています。そして人間を動かすのは感情です。
他人の感情を、自分にプラスになるように育む。それが政治家にとっては大事な仕事になるのです」
「食事を重ねることで人間関係を築いていく。今の政治家で言えば自民党幹事長の二階俊博さんや
総理の菅義偉さんが、そういう努力をひたすらやってきた人たちです」
――なぜ会食という行為がカギになるのでしょう。
「長い時間を一緒に過ごせることが大きいと思います。
夕食なら2時間、朝食や昼食でも1時間は話せますから」
「日中に仕事場でサシで話せるのは、せいぜい30分です。
でも食事をしながら2時間サシで話をすると、相手の生まれ育ちやご家族のこと、
交友関係など、いろいろな方面に話が広がっていく。相手の人間性が分かるのです」
「外国の首脳が来日したとき、必ず晩餐(ばんさん)会とか午餐(ごさん)会とかを開いて会食しますよね。
食事には人と人のつながりを深める効果がある。それは、人間が歴史的に積み重ねてきた知恵だと思うんです」
――人間関係や人間性がカギになるような、政治特有の理由はあるでしょうか。
「政治って闘いなんですよね。権力闘争です。そして権力闘争をし続ける上で大事なのが、
『こいつは信頼できるのか、できないのか』です。闘いを現実に動かすのは政策ではなく、
『こいつなら一緒にやっても大丈夫だ』という感情と『こいつにはこういう借りがある』という打算です」
‘@田崎氏は「政治家の会食は視聴者(国民)にはとてもおかしなことに映っていたのです。
会食はなぜ必要なのかと、この間、自分に問い直しました」
私は、田崎氏は御用政府広報家で、ジャーナリストとは思っていないが、
以前から指摘されているのに、知らなかったとしたら、ジャーナリストとして失格だ。
本来、相手の生まれ育ちや家族のことなど関係ない。
社会は、履歴書に男女も記入しない世の中になっているのに、時代遅れも甚だしい真逆の風習だ。
本人も認めているように、政治家は政策で動いていないということは、
国民のことなど考えていないということだ。
いわゆる永田町の論理で動いている村社会。
だから、会食や感情が必要なのだ。
「日中に仕事場でサシで話せるのは、せいぜい30分です」と認めているように、
仕事の話はできていないということだ。
それは、前安倍政権から如実に表面化している。
自分たちと親しい周りの利益と感情だけで動いているのだ。
いずれにしろ、今はリモートだけで一度も直接会わなくても仕事ができる時代。
政治も、個人の感情など入れずに、愚直に政策を論じるべきだ。
そうすれば、新型コロナ禍の今も、曖昧な政策で感染が拡大する現状を抑えられる。
感染が拡大しているのに、「県内旅行割引事業」などと、バカなことをしなくなるだろう。
政界を引退したら時間は沢山できるので、会食をしながら旧友たちと、
浪花節の世界を、飽きるまで語り合えばよい。