東京五輪の開会式が行われた23日、
新型コロナの後遺症に苦しむ患者らを支える医師からは「違う国の話みたい」
「素直に楽しめない」といった声が上がった。
東京都世田谷区の世田谷記念病院では23日、多くの患者がリハビリに励んでいた。
新型コロナ感染症による後遺症を克服して日常生活に戻るための訓練をしている人も混じる。
「立ち上げれますか」「痛くないですか」
様子を見守っていた杉本大介看護師長(35)は、
連日、報告される新型コロナの新規感染者数に、
「今後、入院調整も大変になってくるかもしれない」と危機感を訴えた。
コロナから回復しても後遺症が残り、日常生活に戻れない人は少なくない。
コロナ回復者を担当する志村陽子医師(46)は「感染者が増えれば、それだけ重症になる方も、
私たちのような病院に来る人も増えると思う」と憂いだ。
そうしたさなか開幕した五輪。「違う国の話みたい」と志村医師は話した。
武久敬洋院長(41)もあきれた様子だ。
「政府は、あまり出掛けるなと言いつつ、外国からどんどん人を入れる。
全てが矛盾していて素直に五輪を楽しめる医師は、東京にはほとんどいないと思う」。
夜の開会式については「(この感染状況でやることが)逆に歴史的なので見てやろうかという気持ち」
と皮肉った。