8月8日。東京五輪の閉会式が行われた。
寝転んでいる選手がいることが話題になった。
そのなかに、空手「植草歩」選手がいた。
礼を何より重んじる空手。閉会式には秋篠宮さまがご臨席された。
テレビカメラを通じて全世界の人が見ていた。
そんな状況で横になるなんて信じられないと、関係者は憤った。
全日本空手道連盟は、中学校で武道が必修になったことを踏まえ、
「柔道や剣道に並ぶ武道としての地位を確立する」ことに注力している。
そんな運動を行っているにもかかわらず、日本代表だった選手が閉会式で寝転んだ。
植草選手は帝京大出身で、同大で師範を務める全日本空手道連盟(全空連)の、
香川政夫・前選手強化委員長(65)の“愛弟子”だった。
しかし今年3月、植草選手が香川師範によるパワハラや暴力行為を訴えた。
特に「師範が選手の顔面を竹刀で突いた」との証言は、衝撃的なことで、多くのメディアが報じた。
当初は、香川師範に批判が集まった。結局、香川師範は辞した。
事態を重視した帝京大学は、弁護士や医師などによる内部調査委員会を発足。
週刊新潮が練習に居合わせていた関係者を取材すると、
パワハラの事実を否定し、動画も入手することができた。
動画には、“目を突く”などの暴力行為は一切、収録されていなかった。
5月に大学の公式サイトで55ページにわたる報告書が発表された。
委員会は「竹刀で壁を叩く」など、練習中における一部の行動に問題点は認めた。
しかし、香川氏のパワハラについては明確に否定した。
練習は「和気藹々とした雰囲気」だったと指摘し、
「香川師範による暴力的指導は存在しないことを、本委員会の委員全会一致の結論とする」
と報告したのだ。
「外国人に比べ、日本人は手足が短い。そのため香川師範は竹刀による練習を編み出しました。
しかし問題のない練習法だと委員会で認められたにもかかわらず、
植草選手は練習の価値を理解してくれませんでした」と関係者は語る。
当時、植草選手はYouTubeに開脚ストレッチなどの動画を公開、
2人の間に動画の配信を巡って、対立があったことなどを委員会は調査で明らかにした。
植草選手は8月7日、予選に出場した。結果は2勝2敗の成績で1次リーグ敗退が決まった。
拳サポーターからのぞいた指の爪に、赤いマニキュアが見える。
真実はどこにあるのか。
植草選手は芸能事務所にも所属している。
植草選手は8月7日、予選に出場した。結果は2勝2敗の成績で1次リーグ敗退。
メダリストですら、時間が経てば忘れ去れる。
芸能界などで生き残るのはごくわずか。
メダルが取れなかった彼女の居場所はあるのか。