埼玉県内では重症者用の病床が増やされたが、24日現在、
使用率はコロナ禍で最高の78・5%に達した。
三芳町の「ふじみの救急病院」
2階のナースステーションにあるモニターには、入院患者の名前とその処置内容などが映し出されている。
同院の病床は、プレハブの19床を含め計38床。そのうち重症者用の病床は、10床ある。
1階の集中治療室(ICU)と高度治療室(HCU)には、人工呼吸器などが装着された患者がいる。
入院していない軽症患者が点滴を受けている。
鹿野晃院長(48)は「抗体カクテル療法をしたいが、それには入院する必要がある。
今空いている2床を使うと、より症状が重い人を受け入れられない。
できる治療をして、薬を持って帰って頂くしかない」と、悔しがる。
同院は昨年、大規模なPCRセンターを設置し、自費での検査も実施してきたが、
今は県内在住でコロナの症状が出ている人や濃厚接触者対象に絞っている。
それでも多い時は1日千人ほどが検査を受けるという。
敷地内に、人の背丈ほどの大きな酸素タンクを配置した設備があった。
鹿野院長によると、通常は200床程度ある病院でもまかなえる容量だが、
「供給が追いつかなくなっている」という。
院長は「この秋冬はもっとひどいことになるかもしれない」と懸念した。