参院で3週間ぶりに厚生労働委員会が開かれ、立憲民主党の打越さく良議員は、
新型コロナに感染した「自宅療養者」が一時期10万人を超え、医療を受けられずに、
自宅などで亡くなった人が8月に過去最多の250人に上った数字を取り上げ、
厚生労働相の田村憲久大臣に質問。
「大臣、これを単なる数字としてとらえていただきたくなくないです。
お一人お一人がどんなにご不安な気持ちだったかと、受け止めていただきたい。
発生後すでに1年9カ月が経っているにもかかわらず、適切な医療を提供できていない。
政府の責任は厳しく問われなければなりません。
医療が必要なのに、自宅にいることを余儀なくされている状態に『療養』という用語をあてることは、
欺瞞というほかありません。
政府として、感染したのに十分な医療を受けられずに重症化あるいはお亡くなりになった国民に対し、
謝罪すべきではないでしょうか」
田村大臣は「日本は、イギリスやフランス、アメリカと比べて、感染者に対する入院者の率が非常に多い。
医療者の方々が大変な頑張りのなかで、国民の命をお守りいただいている」と、
相変わらず打越の質問には答えず、医療関係者への感謝を口にした。
続けて、「長期戦になっておりますので、一般医療をある程度ちゃんと動かしながら、
これからも各都道府県、医療界と協力をしながら対応して参りたい」と演説した。
次に質問に立った立憲の石橋通宏議員に「8月5日(の参院厚労委員会で)、
田村大臣は『中等症は原則入院』と答弁しましたが、実現されたんでしょうか」と問われると、
田村大臣は、「残念ながら中等症全員の方々をこれは病床で見ることができなかった。
これは事実でございます」と認めた。
石橋議員は続けて、「約束を、政府は、大臣は果たすことができなかったとお認めになりました。
だから、打越議員も『まずはそれに対して謝罪すべきではないのか』ということを申し上げた。
でも、大臣は一切謝罪しない、責任をとろうとされない。そこが問題なんじゃないでしょうか」と、
疑問を投げかけた。
「これだけ多くの課題が山積して、本当に救うべき命、救えたはずの命が失われている状況のなかで、
国会がその役割を果たしていないのではないか。
私たちは憲法53条に基づく臨時国会の開会要求をずっとしている。
いまだに政府与党は憲法上の義務すら果たそうとしない」と憤った。
石橋議員は苦言を呈し、「なんとか『充実した審議を』ということで、
きょうもワクチン担当の河野大臣やコロナ担当の西村大臣の出席も求めましたが、拒否されています。
『厚労委員会だから(所管が)違う』と。いま有事ですよ。本当は総理が出てきてもいいぐらいの話です」
と、憤懣やるかたない姿勢を示した。