東京都の小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」は3日、
国政進出に向けた新党「ファーストの会」の設立を発表。
新党代表は、都民ファ代表の荒木千陽都議が務める。
荒木代表は都内で記者会見し、都内25の小選挙区を中心に、
次期衆院選にできる限り多くの候補を擁立する方針を表明。
「小池知事は立候補しない」とした上で、荒木代表は、
「私たちから出馬の要請もしていない。小池知事の応援や相談をさせていただく。
さまざまに連携をさせていただきたい」と語った。
党名について「小池百合子特別顧問とともに決めさせていただきました」という。
候補者を公募するほか、現職の国会議員にも働き掛ける考えを表明。
また「先進国の中でも珍しく中央集権体制が強い。都民の声がなかなか国政の場に届いて行かない。
このようなもどかしい思いを幾度となく繰り返してきた」と述べ、
新党は都政と国政をつないでいく役割を担うとした。
ただ、新党の綱領は発表されず、役員名簿は「いま発表できるのは代表のみ」と、急ごしらえの感はぬぐえない。
永田町では「女帝がおとなしくしているとは思えない」との声が。
今回の動きには、国民民主党や、前埼玉県知事の上田清司参院議員(無所属)が結成する、
『上田新党』も連携を模索し、鳩山由紀夫元首相のファミリーも参加するという情報が流れている。
国民民主は党勢拡大を図りたい。上田新党も国会議員5人などの政党要件を満たす見通しが立っていない。
鳩山ファミリーも政界で存在感を示したい色気がある。
ここのところ、荒木代表や鳩山ファミリーの側近が国会議員会館を出入りする様子が目撃されており、
荒唐無稽な話でもないのではと、永田町関係者は語る。
小池知事は、2017年衆院選の際、自らに近い議員や、当時の民進党などを巻き込む形で、
「希望の党」を結成。国政で「第三極」の形成をもくろんだが、本人の失言で失敗した経緯がある。
今回は、都ファ、国民、上田新党、鳩山氏周辺の4者の思惑が複雑に絡み合っているようだが、
4つの歯車がかみ合えば、小池知事も主導権を握りにくる可能性はあるが、玉木代表との立ち位置がどうなるか。
東京都の貯金も底をつく勢いだ。
オリ・パラの費用負担にも頭を抱える。
これからは、難題こそあれ、あまり思うような政策は実行できない。
だとすれば、投げ打って国政に戻る可能性は十分にある。
「都と国を繋ぐため」と言う名目で。
新型コロナの感染者数も減少している。
小池知事も69歳。最後の戦に挑むか。