真鍋博士が東京大で博士号を取得した1958年、戦後の日本には十分な研究環境がなく渡米。
最初の研究目標は「天気予報をよりよいものにすることだった」という。
二酸化炭素は、大気中にわずか0.04%しか含まれないにもかかわらず熱を地球に閉じ込める。
この影響の大きさを見抜いた。何百時間にも及ぶ計算の結果、
60年代末には「二酸化炭素の濃度が2倍になれば、地球の平均気温が2度上がる」と予測した。
1988年、当時まだ地球温暖化が広く意識されていなかったが、
「21世紀後半には地球の平均気温が3度上昇する」「日本では台風が増える」などと、
具体的な数字を交えて未来を予測していた。
当時のコンピューター処理速度は、現在の10万分の1しかない。
現在では世界中の研究者が参入しスーパーコンピューターを駆使する予測計算は、
すべて真鍋博士の業績を出発点とする。
1953年東京大学理学部地球物理学科卒業。1958年同大大学院博士課程修了。
1958年、渡米、アメリカ国立気象局(現:アメリカ海洋大気庁)に入局。1975年にアメリカ合衆国国籍を取得。
1968年からプリンストン大学客員教授を兼任し 1997年帰国。
科学技術庁地球フロンティア研究システム地球温暖化予測研究領域長に就任したが、2001年に辞任。
再渡米し、プリンストン大学研究員に転じた。
地球シミュレータを利用しての他研究機関との共同研究が、
所管元である科学技術庁の官僚から難色を示されたことが辞任のきっかけとされている。
メディアでは、日本の縦割り行政が学術研究を阻害している「頭脳流出」であると報じられた。
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