「エキタス」という市民団体が、若者にインターネットで、
「最低賃金、時給1500円が実現したら、何をしたいですか?」と聞いたところ、
「病院へ行きたい」と答えた人が約3割の最多におよんだという。
2020年の非正規雇用は10年前の2.5倍となっている。
第二次安倍政権が誕生後のアベノミクスで雇用の拡大を推し進めたが、
竹中平蔵氏らの提言で増えたのが非正規社員。
アベノミクスで雇用は増えたものの、その内実は、非正規社員の増加であり、
それに対して、正社員の割合は減少した。
1997年以降、非正規社員の占める割合は年々拡大してきた。
2018年、総務省の「労働力調査」によると、役員をのぞく全雇用者数5596万人のうち、
正規職員・従業員が3476万人に対して、非正規職員・従業員が2120万人。
非正規で働く人が全体の約37%、4割に迫る。
しかも、収入の格差は歴然としている。
フルタイムで働いている非正規の平均賃金は正社員の65%にとどまっている。
同じように働いても非正規は、正社員の7割にも満たない収入しかない。
正社員では多くの場合、年齢とともに賃金が上がっていくのに対して、非正規ではほとんどが上がらない。
このような不公平、格差社会を作ったのがアベノミクス。
竹中平蔵氏らの提言によって、非正規社員は激増し、定年まで安心して働きつづけられるという、
終身雇用制の雇用環境が減少し、非正規社員の激増という、新たな雇用形態がもたらされた。
非正規社員なら、企業側の都合で辞めさせることもやりやすくなり、
なによりも、賃金を正社員よりも低く抑えられることが企業としてのメリットとなる。
しかし、格差社会の日本で広がっているのは、正真正銘の貧困問題だ。
ある調査では、この国に暮らす全体の56.55%の人が「生活が苦しい」と答え、
さらに、子どもの7人に1人が貧困だという。
政治家やテレビに出ているほとんどの出演者はこの実態を知らない。
それでいて、適当なことを述べている。