厚労省は24日、米製薬大手メルクが開発した新型コロナ感染症の飲み薬「モルヌピラビル」を特例承認した。
国内初の軽症者が使える飲み薬で、重症化を防ぐ効果があるとされる。
自宅でも服用可能なため医療機関の負担の軽減につながると期待する。
新変異株「オミクロン株」への懸念が強まる中、政府は既に160万人分を確保。
20万人分を今週末から全国に配送するとしており、早ければ27日に医療機関や薬局に納入される。
ただメルク側が臨床試験結果を下方修正したほか、安全性の課題もあり、
当初、期待したほどの効果は見込めないとの見方もある。
メルクは26日、「モルヌピラビル」が重症化や死亡を約50%抑えるとした、
臨床試験結果について、30%に下方修正した。
10月の当初発表では患者約760人のデータを解析したが、今回は約1400人に増やしたという。
フランスのベラン保健相は23日までに、「モルヌピラビル」が効果の調査で良い結果を得られていないとして、
政府が発注を取り消したことを明らかにした。
フランスの独立公共機関「高等保健機構」は今月10日、モルヌピラビルの軽症者への緊急使用に関し、
既存の治療より効果が低いと指摘、認めないと勧告した。