重ね重ね、ロシアがクリミアを併合した時に、強い制裁をして置くべきだった。
それによって、ロシアに時間と余裕と強い懐疑心を与えてしまった。
ロシアはこの瞬間のために、準備をしてきた。
2014年にロシア軍がウクライナのクリミア半島を併合した際、ロシアに対する国際的な制裁が始まった。
それ以降、ロシアは防御を固めてきた。
米ドルへの依存を軽減し、制裁に強い経済を目指した。
プーチンは、西側諸国が予測している以上に、制裁に耐えられると考えている。
ロシアはこの間、外国からの融資や投資への依存を減少してきた。
その上で、新しい通商の場を積極的に探した。
その一つが中国だ。
ロシアがドル建てで保有する外貨の比率は5年前の40%から約16%へと比重が減っている。
一方、約13%を人民元で保有している。
中国はロシアを非難せず、陰で支えている。
その態度は、ロシアにとって大きな勇気となる。
ロシア経済は過去10年間、年間成長率が平均1%未満にとどまっている。
しかし、あえて予算削減を行い、経済の成長よりも安定を優先してきた可能性がある。
その過程の中で、西側諸国などに頼らない体質を構築してきたのかも知れない。
米国は気付いていたのに放置していた可能性がある。
そうは言っても、ロシアに痛みは伴う。
ロシアの主要行、国営銀行への制裁は手痛いものになる。
でも、ロシアの国自体が攻撃されていないことも大きい。
この戦略で大きな役割を担うのが中国だ。
中国、インドがロシアを支えれば大きな力となる。
この戦争が何らかの形で収束すれば、中国とインドは堂々と動き出す。
今度は西側諸国と中国の、経済的なウクライナの奪い合いになるかも知れない。
逆に西側にとっては、厄介な共同体ができることになる。
ロシアは、世界有数の資源大国だ。
石油、天然ガス、石炭などのエネルギー資源、鉄鉱石・金・銅の鉱物資源など、
産業に必要な資源のほとんどが産出されるといっても過言でない。
石油産出量は、現在のロシアは世界第2位の産出量を誇っている。
天然ガスも世界第2位である。
またロシアは、肥沃な土地を持つ農業の国でもある。
特に小麦の生産量は世界第3位であり、自国民の消費を十分に賄える。
それどころか輸出量も世界一なのだ。
魚介類などの水産資源も豊富で、森林が国土の半分を占めるため、木材資源も事欠かない。
ロシアは、米国・西側などから経済制裁を受けても自国でやっていける数少ない国だ。
もちろん経済制裁を受ければ、ダメージは受ける。
しかし、日本をはじめとする世界の大半の国は、米国などから制裁を受ければ、
たちまち国民生活に支障をきたす。
しかしロシアはそれほどまでではない。
だから日本と違って、ロシアは、アメリカに強くものを言うことができるのだ。
西側諸国は、こうした事態が起きるのを許したことで、ウクライナ国民や自国民、
そしてロシア国民にも被害を及ぼしているということを猛省すべきだ。
制裁がロシアに打撃を与えることは確実だが、
制裁による効果は、西側も長丁場を覚悟しなければならない。
(ロシア・スタブロポリ州建設中の新ファーム。見渡す限りガラスの屋根が続く)
本当は日本が優先的に行わなければいけないことを、資源豊富なロシアが積極的に行っている。
バカな国日本と、新町先生の怒りは収まらない。