使わない分は蓄えて、数カ月後に放電可能。
米国エネルギー省の研究施設「PNNL」の研究チームが開発した、
「A freeze-thaw molten salt battery for seasonal storage」(凍結融解バッテリー)は、
電力をあまり失うことなく数カ月にわたって蓄えられるバッテリーだ。
風力や太陽光といった再生可能エネルギーによる発電をいったん凍結し、
数カ月後に放電する使い方ができる。
太陽光発電や水力発電、風力発電などは季節によって発電できる容量が異なる。
そのため、時期によっては過剰生産によるエネルギーの無駄や、反対に供給不足が発生する。
過剰に得られた余剰エネルギーを蓄積し発電量が低い季節に補えれば効率が良く安定した供給ができる。
だが、その期間大量に蓄えられるバッテリーは存在しない。
そこで研究チームは、自己放電を抑える「凍結融解バッテリー」と呼ぶ新たな電池を開発。
プロトタイプを試した結果、12週間経過しても初期容量の92%を維持でき、貯蔵と放電ができたという。
理論上のエネルギー密度は1kg当たり260W/hであったという。