プーチン、「ウクライナ侵略」認める。
9日、ロシアで、第2次大戦での対ナチス・ドイツ戦勝記念日が開催された。
大方の予想に反して「戦争宣言」や「勝利宣言」はなく、淡々と執り行われた。
今回はクリミアを含む28の州で開催され、マリウポリやサボリージャ州、
サハリン州でも軍事パレードが行われた。
そもそも、戦勝記念日は、昔戦ってくれたおじいちゃんらを称え、花を渡す日だ。
ともに、戦争被害者を悼む日でもある。
二度と悲劇を繰り返さない、戦ってはいけないことを確認する日でもある。
それを踏まえれば今回の演説は、現状のウクライナ侵略の言い訳と正当性の主張が多い。
プーチン政権になって、2008年から軍事的意味合いが強くなってきた。
だが、日本と西側の一部が大騒ぎしていただけで、目新しいものはなかった。
プーチンは狙撃を恐れて、スクリーンで演説するとの話も出ていた。
再三述べているが、プーチンは逃げない。
彼らの世界でトップが逃げている姿を見せれば終わりだ。
だから、ロシア軍制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長が戦地に行かされた。
そのゲラ氏の顔が記念日になかった。やはり、何かあったようだ。
ましてや自国が攻撃されていないのに、なぜプーチンが逃げなければいけないのか。
ロシアの知識は多少あるが、似非専門家の話だ。
そういう人が、今回のプーチンの演説を「敗戦演説」などと、とにかく目立つ言葉を探し、
間の抜けたことを述べる。
元々、戦勝記念日のプーチンの演説は淡々としたものだ。
この後何が起きるか、誰にも予測できない。
むしろ、今後さらなる非道な攻撃をプーチンは開始するだろう。
そして、粛清されたと言われていた、セルゲイ・ショイグ国防相は堂々と記念日に参加。
プーチンの今回の演説は、ウクライナよりも西側が敵だということを強調した。
キエフと呼びウクライナの言葉は出なかった。
プーチンの中には、もうウクライナは無いということだ。
そして、西側が攻撃を仕掛けてくる前にロシアが攻撃をしたと明言。
プーチンが侵略を認めた瞬間だ。
西側やウクライナがロシアを攻撃しようとしたことなど一度もない。
プーチン擁護派は、ウクライナが西側に寄り過ぎたと言うが、
だからと言って他国に侵略していい話にはならない。
そんなことがまかり通るなら、世界中戦争だらけになる。
日本も気を付けなければ、前のめりになり、先制攻撃が当たり前のような話がなされているが、
真珠湾攻撃を繰り返す、ロシアと同じ立ち位置になる。
なぜそれが理解できないのか。
記念日の最後は、いつも、「偉大な戦勝の日 バンザイ!」で絞めるが、
今回は、「ロシアのため 勝利のため バンザイ!」と、プーチンは締めた。
プーチンがおかしくなっていると言う見方が世界的にも多いが、
わたしは、当初からプーチンは冷静だと断じている。
プーチンの行為は狂気だが、頭の中は冷静だ。
だから今回も、大方の予想に反して、ある意味普通に執り行われた。
わたしの予測通り、今回の記念日で国内に戦争ということは知らしめなかった。
冷静に保つことによって、ロシアのやっていることを正当化しようとしている。
退役軍人を称える気持ちはプーチンの中に根強い。
その英雄を利用して、愛国心を高める側面も、勿論あるが。
これからのロシアのウクライナ攻撃は粛々と進められる。
ゼレンスキー大統領は、8日に公表したビデオ演説で、
ロシアが「ナチズムの血塗られた再現」を実行していると非難。
「ウクライナに闇が戻り、再び白黒になった」と訴えた。
ゼレンスキーの方が敗者だ。
例えウクライナがロシア軍を押し返しても、焦土化された母国は、
言葉では表せない悲しみと憎しみで覆われている。
愛国主義、軍国主義を押し付けようとすると、間違った道に進むことが、ロシアを見れば一目瞭然。
ロシア側で死んでいるのは兵士、ウクライナで死んでいるのは多くの一般市民。
(合掌)