ロシア正教会最高位のキリル総主教のクリスマス停戦の呼びかけを踏まえた措置という。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は、プーチンによる停戦提案を「偽善」と述べ、反発。
「ロシアが占領地から撤退して初めて『停戦』が可能となる」と拒否。
これに先立ち、ロシア正教会のキリル総主教がウクライナ側にも停戦を呼びかけていたが、
ポドリャク顧問は「皮肉な罠でプロパガンダの要素」と退けていた。
トルコのエルドアン大統領は5日、ロシアのプーチン大統領と電話会談をし、
昨年2月から続くロシアのウクライナ侵攻について、停戦を宣言するよう要請したという。
トルコ大統領府によると、エルドアン大統領はトルコの仲介で昨夏に成立した、
ウクライナ穀物輸出合意などを「前向きな成果」と評価。
ロシアによる「一方的な停戦の宣言と公平な解決見通し」が、
今後ウクライナ側との和平を進める上で有益という考えを示した。
ロシア大統領府によれば、プーチンは、
「ウクライナがロシアの要求に従い、新しい領土(占領地)の現実を受け入れるならば、
ロシアは真剣な対話にオープンだ」と、変わらず主張。
西側諸国が兵器・作戦情報の提供を通じて「破壊的な役割」をしていると批判。
バイデン米大統領は5日、プーチンが停戦を命じたことについて、
「プーチンが言うことには反応したくない。彼は病院や保育園、教会への爆撃をいとわない」と記者団に述べ、
不信感をあらわにし、「彼は息をつこうとしているのだろう」と語った。
国務省のプライス報道官も記者会見で、プーチンの停戦呼びかけは「信用できない」と指摘。
「停戦期間を休養や部隊の再編成に利用して、再び攻撃する可能性がある」と述べ、
和平を実現したいならウクライナから撤退すべきだと訴えた。
EUのミシェル大統領はツイッターで「ロシア軍の撤退は平和と安全保障を回復させるための唯一かつ重大な選択肢だ。
一方的な停戦の発表は、違法でばかげた併合とそれに伴う住民投票と同じくらいインチキで偽善的だ」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、ロシアのプーチン大統領が命じた一時的な停戦に否定的な姿勢を示した。
ゼレンスキー大統領は5日夜公開したビデオ演説で「ロシアはドンバスにおけるわれわれの兵士の前進を食い止め、
武器や戦力をわれわれの拠点に近づけるためにクリスマスを隠れみのとして利用しようとしている」と批判。
ロシアが侵略を終わらせることが終戦を意味するとし、「ロシア兵士がわれわれの土地にいる間、戦争は続く。
ロシア兵が去るか、われわれが彼らを追い出したときに戦争は終わる」と強調。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問も、プーチンによる停戦提案を「偽善」と述べ反発。
「ロシアが占領地から撤退して初めて『停戦』が可能となる」とした。