世界的に半導体不足が続く中、大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは、
一度閉鎖した山梨県の工場に新たな設備を導入し、生産を再開させると発表。
EV=電気自動車向けを中心に国内での量産を目指す。
生産を再開するのは、山梨県甲斐市にあるルネサスエレクトロニクスの子会社の工場です。
この工場は業績不振に伴う経営合理化のため2014年に閉鎖され、
3つあった建屋のうち2つは取り壊したが、会社では残っていた建屋におよそ900億円をかけて、
新たな設備を導入し、2024年中に半導体の生産を再開するとしている。
再開する工場は、これらの需要に対応するため、
電力を制御する「パワー半導体」の量産を目指すという。
半導体不足が長引くなか、日本のメーカーではこのところ半導体関連の設備投資が活発化している。
富士電機はパワー半導体を製造する青森県の工場で新たな設備投資に乗り出した。
来年度までの5年間の投資額は1900億円にのぼるとしている。
三菱電機が広島県の工場の生産能力を増強。
2025年度までの5年間でパワー半導体の事業に1300億円を投じる計画を明らかにした。
東芝も1000億円をかけて石川県のパワー半導体の工場の生産能力を増強するほか、
半導体の製造装置をつくる東京エレクトロンも770億円余りをかけて、
宮城県と熊本県に新たな開発拠点をつくるとしている。
半導体の国内回帰は良いことだが、EVは必ずしも思惑通り進まないかもしれない。