河瀬監督『SIDE:B』に出てこない重要人物。
ドキュメント映画『東京2020オリンピックSIDE:B』
数十秒から数秒という単位でインタビュー映像がぶつ切りにされ、
100人近い関係者が登場する『SIDE:B』に、たった1人だけ、名前すら出ない重要関係者がいる。
安倍晋三東京五輪組織委員会名誉最高顧問であり、時の総理だったひとである。
東京五輪誘致の時から誰よりも深く関わり、リオ五輪閉会式の時にはマリオのコスプレで登場した、
東京五輪組織委員会名誉最高顧問の安倍晋三元総理が、
このドキュメンタリー映画には1秒たりとも登場していない。
森喜朗氏によれば2021年の一年延期を決定したのは当時の安倍総理である、
にも関わらずその名前を口にする人物すらいない。
今上天皇まで撮影し、菅元総理には直接インタビューまでしているにも関わらず、
まるでこのパラレルワールドが
安倍晋三などという人物が存在しなかった、架空の人物であるかのように、
映画の中から完全にその存在が消されている。
東京五輪の誘致に全力を注いだ日本の総理大臣、東京五輪のど真ん中にいて、
この映画のど真ん中である2020年9月16日まで現役総理であり、
辞任後も五輪組織委員会の名誉最高顧問であった政治家に、
名前も顔も存在も触れない五輪ドキュメンタリーの存在意義はあるのか。
何を隠そうとしているのか。