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​「ジョナサン」店内で暴力事件。

「ジョナサン」店内で暴力事件。

「ジョナサン」よ、お前もか。 

肋骨骨折も「勉強になったな」「また折られてえのか?」


今年4月、パワハラ防止法の適用対象が拡大され、

2020年6月から大企業にのみ課されていたパワハラ防止措置の義務が、国内の全企業にまで広がった。

それにもかかわらず、今野晴貴氏が代表を務めるNPO法人POSSEには、

凄惨なパワハラの労働相談が続々と寄せられている。



それらの相談の中でも、ファミリーレストラン業界最大手の「すかいらーくグループ」の事例は衝撃的だ。

今年4月まで傷害行為をともなうパワハラが横行していたのだ。

舞台となったのは、すかいらーくグループの中でも、首都圏を中心に展開される「ジョナサン」。

パワハラ被害を告発したのは、「アシスタント・マネージャー」(店長候補)として働く正社員のAさん

被害者であるAさんが、加盟する労働組合「総合サポートユニオン」と、同社へ明かした、

Aさんは、東京タワーの麓にある「ジョナサン芝公園店」への配属を命じられた。2020年9月のことだった。



だが、芝公園店でAさんを待ち受けていたのは、店長(当時)のB氏による凄絶なパワハラ

些細な「ミス」をするだけで、「死ね、殺されてえのか」「お前の目はビー玉か?」容赦ない罵声が浴びせられた。

日常的に頭をはたかれ、胸ぐらをつかまれた。足に蹴りを入れられることも複数回あり、

転倒して身体中に打撲を負わされたこともあった。



「土下座だな」と言い放たれ、土下座せざるを得なかったことすら何度かあったという。

店長はAさんに、アルバイトの管理がなっていないとして激怒。

ネクタイを引っ張って店舗の控え室に引きずりこむと、Aさんの右のあばらを拳で力強く殴りつけ、肋骨を折った。

Aさんは恐怖のあまり涙が止まらなくなり、痛みすら感じられないまま、当日は22時まで働き続けたという。



帰宅後に激しい痛みに気付き、翌日整形外科を受診したものの、

2日間休んだだけで、Aさんは痛み止めの薬を服用しながら、サポーターを巻いて勤務を続けた。

店長は態度を改めることなく、「お前は喉元すぎれば忘れるから、勉強になったな」と開き直り、

新たなAさんのミスを発見すると「また、あばら折られてえのか?」と迫った。

月190時間の残業? 休憩すら許されず「おむつ穿いて働け」と罵倒。

ジョナサン芝公園店は、Aさんがそれまで経験してきたどの店舗よりも繁忙店で、

従業員は正社員が3人体制(店長と、Aさんら店長候補2人)で、

正社員1人とアルバイトだけで回す店舗が多い中、重点的な配置がされていた。


代表取締役社長 柳澤道之)

それでも業務量に比して人手が足りていないのが実情だった。

週2〜3日は深夜1時過ぎまで作業を続け、そのまま店に宿泊することが、Aさんの日常になっていた。

翌朝シフトが入っている場合は、早朝5時半には起床して、6時頃から勤務を始める生活が繰り返された。

すかいらーく本社に「通報」が何度も届いたが、まともな調査や処分はなし。

2021年5月から2022年3月までの1年あまりの間に、ジョナサン芝公園店を利用した消費者から、

パワハラを告発する「通報」が少なくとも4回にわたり、すかいらーくのカスタマーセンターに届いていたという。

調理場から「おめー頭わりーから」などの怒鳴り声が聞こえ、食事が美味しく感じられなかった。

従業員がかわいそう。「殺すぞテメー」「ゴミ野郎」「くそ野郎」という声が響いてきて気分が悪い。



寄せられたメールや電話の「クレーム」は、パワハラの実態を生々しく訴えていた。

しかし、すかいらーく本社は、相次ぐ常軌を逸したクレームにもかかわらず、まったく調査を行おうとはしなかった。

当初から本社が迅速な対応をしていれば、前述の暴力行為は避けられた可能性は非常に高い。

ユニオン側は、今後はパワハラの労災申請や、B氏の刑事告発も視野に入れているとのことだ。

いくら法律をつくっても、企業が無視すればなかなか表には出にくい。

社員側の弱い立場を利用して、知らぬ振りをする本部。

労働環境に問題を抱える企業が、自ら問題の根本に向き合おうとしない。



人手不足も一因だ。

本部も、慣れた人に辞められては困る。

ジョナサンの経営再建の無理が社員に伸し掛かっている。


大企業ですらパワハラ被害、通報を放置しもみ消されてしまう現状がある。

結局は、泣き寝入りして、心を病んで辞めていく、

そうなった時には、被害にあっている自身が外に向けて声をあげていくことが重要であるが、

そうは出来ない人も多い。

だから、それを良いことに、いまだ改善しない企業も多数ある。

聞いているだけで吐き気がするが、飲食大手で、まだこのようなことが繰り返されていることは、

飲食業界にとっても大きなダメージとなる。

家族連れが楽しく訪れる店の裏で、残虐な行為が日常的に繰り返されていた。


飲食業界を貶めるような行為をほ見過ごした「ジョナサン」は、

猛省して早急に詳らかにして改善しなくてはならない。