日銀が、大規模な金融緩和の維持を決めました。
日銀は、金融政策を決める会合で、経済の回復を支えるため、
金利を低く抑えるいまの大規模な金融緩和策を続けることを決めた。
また、今年度の物価上昇の見通しについて、2.3%に引き上げた。
資源高と円安を受けた値上げの動きが広がっているためで、
4月に示していた1.9%から上方修正しました。
政府日銀が目標にしてきた「2%」に達することになるが、
日銀は、いまの物価上昇は、賃金アップなどを伴っておらず、
大規模な緩和で、景気を下支えする必要があるとしている。
15~16日には米FRBやスイス国立銀行が利上げを決めていたが、その直前に起きた国債市場の異変。
10年債利回りが、日銀が定める上限(0.25%)を一時上回って推移。
また、残存7~9年の国債の利回りが10年債利回りを上回るという「逆イールド」現象が一時生じた。
実に重要なシグナルだ。
内外金利差の拡大などから円安が加速する中で海外のヘッジファンドなどは、
日銀の金融緩和政策が修正され、近い将来に金利が上昇すると見ている。
今回、国債市場で起きた異変というのは、「裁定」が成立しない状況になったことだ。
日銀は、こうした異常事態を放置するわけにいかず、7年物の国債を指し値オペの対象に加えて、修正を図った。
これによって、15日午後には、7年物の利回りが0.255%にまで低下。
現物の金利を無理やり押さえ込んだので、裁定が成立していない状態になってしまった。
裁定条件が満たされていないということは、価格がマーケットの状況を正しく反映していないことになる。
価格が予期せぬ変動をして、損失を被ることもあり得る。このため、国債の取引に大きな支障が出る。
さらに、日銀が指し値オペで吸い上げたために、空売りに必要な現物を確保できない場合が頻発。
このため、証券会社は、価格のヘッジができず、需要が確実に見こめる範囲でしカ国債入札に応じられなくなった。
日銀の金利操作が限界に近づき、日本の国債市場が深刻な状況に落ち込んだ可能性を示唆する。
ヘッジファンドの立場からすれば、損失を被る確率が低く、
その反面で巨額の利益を得られる可能性が高いという、
またとないチャンスが生まれていることになる。
日銀とファンドの戦いは、今後ますます激しくなる可能性が高い。
黒田総裁はその内退任するが、次に押し付けられた者は大変だ。