塩野義製薬が開発した新型コロナ向け飲み薬の抗ウイルス薬「ゾコーバ」(販売名)。
緊急承認の結論がまた見送られた。
新規感染者数が過去最多を更新し「第7波」が猛威をふるっている。
そんな中、「今回の判断はふに落ちない」との声が多く聞こえる。
平時における医薬品承認の審議であれば妥当かもしれないが、
今回はこの春にできた緊急承認制度を初適用したもの。
ただ、緊急承認とはいっても、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあれば、
身長にならざるを得ない。
主要評価項目に据えた4日目(3回投与後)におけるSARS-CoV-2の、
ウイルス力価のベースラインからの変化量は、高用量群、低用量群ともに、
プラセボ群に比べて有意な減少を示した。
しかし、新型コロナの症状合計スコアの初回投与開始から120時間(6日目)までの、
単位時間あたりの変化量は、プラセボ群に比べ改善傾向を認めたものの、統計学的に有意な差は認められず、
主要評価項目を達成しなかった。
なお、同試験の集団で特徴的な症状だった呼吸器症状、
(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳、息切れ (呼吸困難))の合計スコアは、
高用量群、低用量群ともに有意な改善効果が認められた。(風邪薬かい)
吉田課長によると、この試験結果を踏まえて委員から、
「ウイルス量に差が出ている。実効再生産数が小さくなることが期待できる」との肯定的な意見があった。
一方で、「ウイルス量を減らすデータは確かにあるが、臨床症状の改善は示されていない。
このようなあいまいな状況で国民がこの薬を使うことをどう考えるのか」と否定的な意見もあった。
このほかの委員からの意見としては、
「経口剤は(ラゲブリオ、パキロビットに次ぐ)3つ目。既に新規性はないのではないか」と、
本来の緊急承認の要件を満たしていないとの厳しい見方も示されたようだ。
‘@塩野義は急ぐあまり、追加データとして提出したオミクロン株に特徴的な呼吸器症状などで、
改善が見られたとするデータは、有利なデータが出るまで何度も解析を行った。
この、塩野義製薬のやり方にも批判が出た。
患者が基礎疾患のために服用する薬との併用ができない点や、
催奇形性の可能性があり、妊婦や妊娠の可能性のある女性への投与も難しいことから、
「最終段階の臨床試験の結果が出るまではとても使えない」といった意見も聞かれ、
臨床試験の途中での承認に反対する声が大勢を占める結果となった。
「ゾコーバ」“緊急承認”には、実際にコロナ患者を診る現場の医師たちからも反対の声が出ている。
都内などでコロナ患者専従の往診を続ける医療法人社団「悠翔会」の理事長・佐々木淳医師は、
「臨床的効果に関する評価が明らかに不十分だ」と指摘。
十分な臨床データがない中での承認となれば、
「(副作用のリスクなどを負ってまで)患者さんに使用する理由が特にないので処方しない」と断言。
すでにあるモルヌピラビルとパキロビットパックについて、
「それぞれ重症化・死亡のリスクを下げる効果が明らか」だと評価していて、
今後も、この2つの薬を中心に使い分けていくという。
また、練馬光が丘病院の小坂鎮太郎医師も「どう使うといいかがわからない」と困惑する。
ファイザーのパキロビットパックと同じ作用機序の薬でもあるため、今回承認されていたとしても、
「効果のエビデンスレベルがまったく異なるので、ファーストチョイスはこれまでと変わらない」として、
既存の2つの薬をまず選択するという。
一方で、国産の治療薬については、「供給が安心できる」として、開発には期待を寄せているという。
‘@安倍氏が総理だったら承認された可能性は高い。