出口を見失うロシアに、国内外から批判。
ここ数日でウクライナは猛烈な反撃をみせており、5月9日にはハルキウ北部の2つの都市を配下に取り戻した。
少なくともこの地方においては、ロシアとの国境から約16キロの地点まで押し返したことになる。
タス通信によると、ロシア国防省は10日、ウクライナ東部ハリコフ州の要衝イジューム周辺のロシア兵に撤退を命じ、
ドネツク州の他の作戦を強化するよう指示を出したことを明らかにした。
ロシアはイジュームを兵たん拠点として利用していた。
ロシア軍にとっては、今年3月に首都キーウから退却を迫られて以降、最大の痛手となる。
ロシア兵は弾薬や装備を残したまま逃走しており、
ウクライナ側は戦況が大きな転換点を迎えたとの認識を示している。
ウクライナのクレバ外相は、ロシアの撃退が可能であることが証明されたとし、
「われわれが受け取る武器が増えれば、さらに早く勝利を収め、さらに早く戦争を終えることができる」と発言。
ゼレンスキー大統領も10日夜のビデオ演説で、
今月反撃を開始して以降、約2000平方キロメートルの領土を奪還したと主張。
ウクライナ東部の親ロシア派勢力の元司令官は「大きな敗北だ」とメッセージアプリ「テレグラム」に投稿。
デイリー・メール紙は「ウクライナ政府転覆をねらう『特別軍事作戦』に数日間を見込んでいたところ、
突入から2ヶ月以上が経つ。
プーチンの太鼓持ちたちでさえ、進展のなさに言い訳が尽きたようだ」と報じた。
ロシア軍としては、ウクライナ深部に取り残された部隊への補給線の寸断の可能性も高い。
ロシア有利と思われた兵力差に関して、もはや顕著な利点にはならないとの見方が出てきた。
戦地での局所的な問題だけでなく、ロシアには国家として長期化する戦線を支えるだけの経済力が、
残っていないのではないかとの指摘も国内から出はじめている。
‘@ただ、これから冬を迎える。
ロシア、ウクライナの冬は厳しい。
今までのように外などで過ごすことは出来ない。
燃料不足や暖房器具の不足が心配される。
ロシアは、いま、ウクライナのインフラを重点的に狙っている。