専門家「印象操作と言われても仕方ない」
こんなことをしているから東電は信用されない。
東京電力は福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、
セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い、
処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが東京新聞の取材で分かった。
専門家らは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判。
処理水は、原子炉内に溶け落ちた核燃料の冷却で出た高濃度汚染水を、
少なくとも2回除染し、基本的には微弱なベータ線を発するトリチウムを含むだけの状態にしたもの。
トリチウムは除染設備でも除去できない。
視察ツアーでは、放出基準の約15倍のトリチウムを含む処理水入りのビンに、
ガンマ線のみを検出する線量計を当てて反応のない様子を示す。
東電によると2020年7月から約1300団体・1万5000人に見せている。
本紙は9月14日の取材時に説明を受けた。
担当者は、建屋の高濃度汚染水に含まれる放射性物質のうち、ガンマ線を発するセシウムなどは除去し、
処理後の水は周囲の放射線量と同等になっていると説明したが、ベータ線用の測定器を使っていない以上は、
「線量計を反応させるほど高濃度のセシウムは含まれない」といえるにすぎない。
元京都大複合原子力科学研究所研究員の今中哲二さんは、
「トリチウムのエネルギーは弱い。ろ紙などに染み込ませてベータ線測定器を当てても、
もっと濃度が濃くないと反応は出ないだろう」と指摘。
東京大大学院の小豆川しょうずがわ勝見助教(環境分析化学)は、
「科学的には全く無意味。ガンマ線はセシウムだと1リットル当たり数千ベクレル入っていなければ、
線量計は反応しない。
セシウムが放出基準(同90ベクレル)の数十倍入っていても『入っていない』印象を与える」と話した。
東電は「実演は、外部被ばくで人体に影響を及ぼすガンマ線が低減されていることを説明するのが目的。
ベータ線を発するトリチウムが、放出基準値を超えていることも説明している」と主張。
実演のあり方については「さまざまな工夫をしながら取り組む」と説明。
‘@東電の腐った性根は治っていないようだ。
それは、自民党与党も同じ。
汚染水を何とか処理したいので、誤魔化してきたのだ。
それをコメンテーターなども「早く海に流すべきだ」と、反対派の意見を抑え込んで訴えて来た。
丁寧な説明と事実関係が求められる。