「核使用すれば黒海艦隊を殲滅」
プーチンがウクライナ4州のロシアへの編入を強行し、
この地方の奪回は「ロシアに対する攻撃」と見なし核兵器で反撃する口実を作った形だが、
NATOは、その場合ロシアの黒海艦隊の殲滅など壊滅的な打撃を与えると警告しているようだ。
米国を訪問していたポーランドの ズビグニェフ・ラウ外相は、
27日NBCテレビの報道番組「ミートザプレス」に出演。
ロシアのプーチンが核兵器使用も辞さないという態度を示していることについて、
「我々の知る限りプーチンは戦術核兵器をウクライナ国内で使用すると脅しており、
NATOを攻撃するとは言っていないのでNATO諸国は通常兵器で反撃することになるだろう」と語った。
ラウ外相は続けて、「しかしその反撃は壊滅的なものでなければならない。
そして、これはNATOの明確なメッセージとしてロシアに伝達している」と言及。
これに先立ち、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安全保障問題担当補佐官は、
25日の「ミートザプレス」に出演し、ロシアが核兵器を使用した場合は、
「ロシアに破滅的な結果を与える」と述べ、
これはロシアの当局者との個人的なやりとりを通じてロシア側にはっきりと伝えてあると言明。
21日英紙「デイリー・メイル」電子版には、2018年まで米陸軍欧州司令官をしていて、
今はシンクタンク欧州政策分析センターの戦略研究の責任者をしている、
ベン・ホッジス退役中将がインタビューに次のように語っている。
「プーチンがウクライナで核攻撃を命令する可能性は非常に低いと思う。
しかし、もし戦術的な大量破壊兵器が使われたならば、
バイデン大統領の素早く激しい反撃に見舞われることになるだろう」
その具体的な作戦についてホッジス氏は、
「米国の反撃は核兵器ではないかもしれないが、そうであっても極めて破壊的な攻撃になるだろう。
例えばロシアの黒海艦隊を殲滅させるとか、クリミア半島のロシアの基地を破壊するようなことだ。
だからプーチンや彼の取り巻きたちは米国をこの紛争に巻き込むようなことは避けたいと思うはずだ」と述べた。
米軍の元司令官の推測は重い。
ロシア海軍は最近クリミア半島のセバストポル基地に駐在させていたキロ級攻撃潜水艦を、
ロシア南部に移動させたと英国国防省が明らかにしている。
間違いなく物事は動いているようだが、ボタンは押されるのか。
世界中の専門家の多くは、ロシアはウクライナに侵攻しないとしていたが、プーチンは実行した。
今回、核攻撃をプーチンは「ハッタリではない」と強調しているが、
米国やNATOの警告でプーチンを思い止まらせることが出来るのか。