新形コロンのオミクロン株が世界に現れたのが2021年11月、
約1年経過した現在もオミクロン株の亜系統が99.9%を占めており、
オミクロン株以外の系統の変異株はほとんど見つかっていない。
日本では、第6波が起こった2022年1月頃からオミクロン株BA.1が主流となり、
その後BA.2に置き換わり、第7波の初期からBA.5に置き換わった。
世界的にも、未だ検出される新型コロナウイルスの7割以上がBA.5系統という。
一方で、例えばアメリカではBA.5の割合が徐々に減少し、BA.4.6、BQ.1、BQ.1.1、BF.1などの、
オミクロン株の亜系統の割合が増加してきている。
アジアではBS.1系統の検出例が増えており、またインドやシンガポールなどの国では、
XBBという組換え体が広がってきている。
この中でも、特にBQ.1とXBBは免疫逃避の傾向が強いようで、日本国内でも広がる可能性がある。
シンガポール保健省のデータによると新型コロナの感染者のすでに約半数がXBBによる感染例と推定されている。
シンガポールではケンタウロスと呼ばれるBA.2.75よりも広がる勢いが早く、
BA.5よりも20%以上広がるスピードが速いと解析する専門家もいる。
また、ワクチン接種後にBA.5に感染した人でも、XBBに対する十分な中和抗体は産生されていないという、
実験室での研究が報告されており、過去にワクチン接種をし、さらにオミクロン株に感染した人でも、
XBBには感染する可能性が懸念されている。
実際にシンガポールでも再感染例がこれまで以上に増えており、
新たに感染した人の17%が過去に感染したことのある人の再感染の事例という。
シンガポールで、このXBBの感染者の増加と時期を同じくして感染者数が増えているものの、
重症例が増えているという状況ではないようで、このXBBがこれまでのオミクロン株と比べて、
重症化しやすいという報告はいまのところない。
日本でもすでに検疫でXBBによる感染例が見つかっているが、まだ国内からは現時点では見つかっていない。
一方、前述のBQ.1については検疫だけでなく国内からもすでに検出されている。
現在日本は入国制限を大幅に緩和し、検疫体制も緩和しており、海外からの訪日客が増えている。
海外から日本国内に新たな変異株が持ち込まれるリスクはこれまで以上に高くなっている。