東北電・東ガスの新電力破産。
東京商工リサーチは5日、東北電力と東京ガスが折半出資する新電力の「シナジアパワー」(東京)が、
1日に東京地裁へ自己破産を申請し、破産手続き開始の決定を受けたと発表。
負債総額は3月末時点で約182億円。
燃料価格の上昇を背景に、電力を調達する卸電力市場の取引価格が高騰し債務超過に陥っていた
「シナジアパワー」は、高圧および特別高圧の客を対象としており、
一般の家庭や低圧需要への販売はしていなかった。
‘@プロが経営しても失敗する新電力業界。
帝国データバンクの発表によると、新電力会社として登録していた706社のうち、
先週(11月28日)時点で21%を占める146社が倒産や廃業、撤退などの事業停止に踏み切ったという。
今年3月末時点では事業停止は31社だったが、ここ8か月で5倍近くに急増した。
新電力は、2016年の電力小売り自由化以降、登録に自社の発電設備の有無を問わないなど、
参入障壁の低さから、業界を問わず数多くの事業者が新規参入した。
しかし、おととしの年末以降電力の市場価格が高騰。
今年ロシアのウクライナ侵略で価格高騰に拍車がかかり、発電設備を持たない新電力事業者を中心に、
従来のビジネスモデルが立ちゆかなくなるケースが相次いでいる。
萩生田光一経済産業相は4月15日の閣議後会見で、新電力の事業撤退増加に触れ、
「覚悟を持って参入するべきだ。もうかりそうだと簡単な思いで参入した企業があるとすれば、
考え直してもらう」との開き直った見解を示した。